スタートアップセミナー(理学部・物理学科)
 Start-up Seminar
 担当教員:岩田 高広(IWATA Takahiro)
 担当教員の所属:理学部物理学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
古典物理学から現代物理学への橋渡し
20世紀はじめ、それまでの古典物理学の体系では理解できない現象の発見により、量子力学と相対性理論が生み出された。これらによって、物理学が大きく発展し、今日の現代物理学の基礎が作られている。量子力学は原子・原子核・素粒子などのミクロの世界を理解するのに必須である。特殊相対論は高速運動系、一般相対論は強い重力場で重要である。前者は素粒子、原子核物理学で、後者は宇宙物理学では必須である。現代物理学は、宇宙全体の構造から微小なクォークの世界までを研究対象としているが、ビッグバン宇宙の研究で素粒子物理学と宇宙物理学とが接点を持つようになっている。物理学科では改めて相対論、量子力学を学ぶ機会があるので、この授業ではそれらの概論にとどめ、現代物理学で扱われている題材を概観してゆく。
・到達目標
現代物理学で扱われている最先端のテーマを勉強することによって、
物理学への興味を培い、今後の専門科目の履修のための基礎と動機づけを行う。
物理学の先端的な問題についても自ら資料を調べ、考え、理解できる力をつける。
・キーワード
現代物理学、

【科目の位置付け】
専門科目履修のための導入

【授業計画】
・授業の方法
通常の講義形式、スライドを利用、
資料プリントを配布
・日程
1.マクロからミクロへ 気体分子運動論・固体の熱振動・電子の発見・原子の構造・熱放射
2.量子論 プランクの量子仮説・光の粒子性・原子の構造・粒子の波動性・波動関数・不確定性原理
3.物質の構造 水素原子・電子スピン・分子の結合・固体の構造と結合・電子のバンド構造・金属中の伝導電子
4.物質の相転移 相転移・超流動・ボーズ・アインシュタイン凝縮と超流動・超伝導
5.特殊相対性理論 特殊相対性理論と一般相対性理論・ガリレイ変換・光速不変の原理・ローレンツ変換・ドップラー効果・質量とエネルギー・素粒子の寿命・電磁場のローレンツ変換・チェレンコフ放射光・シンクロトロン放射光
6.原子核の構造 陽子と中性子・核力と結合エネルギー・核分裂・核融合・放射能と放射線
7.素粒子の世界 素粒子の仲間・核力と中間子・空間反転対称性の破れ・反物質・4つの力と標準理論・高エネルギー粒子加速器
なお、本授業の一環としてフレッシュマン・キャンプを開催します。

【学習の方法】
・受講のあり方
1年生にはかなり難しい内容のため、わからないことがあれば、図書館で調べたり、友人と相談したり、あるいは教員に質問すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習は必要ない。
疑問があれば、質問したり、参考書で調べること。

【成績の評価】
・基準
現代物理学で扱われている最先端のテーマの概要を理解できているか?、
物理学の先端的な問題についても自ら資料を調べ、考え、理解できる力が養われたか?
・方法
期末試験(100点)による評価。
期末試験の成績が合格点に達しない場合、毎回の授業終了後に提出する出席票のコメント、質問を勘案して、追加点を与える場合がある。

【テキスト・参考書】
授業では山形大学基盤教育院編 「なせば成る」山形大学出版会を随時使用します。

【その他】
・学生へのメッセージ
授業に関する情報は以下のホームページに載せるので時々見て欲しい。
http://www.quark.kj.yamagata-u.ac.jp/~iwata/education/start_up/start_up.html

かなり高度な内容を扱うことになるので、あまり細部に立ち入って理解するのは困難なので、本質的な部分を理解できるように心がけてもらいたい。
・オフィス・アワー
会議、出張、講義以外は研究室か実験室にいるので、気軽に質問に来てほしい。

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