【授業概要】
・テーマ
ある地域を理解し、それを伝えるには様々な方法や切り口があるだろう。本講義では、特定の地域を自らの足で歩き、フィールドワークすることに重点を置く。そして、各々の感性を通して、その地域の気候、風景、人、モノに触れる。小さな町を旅するという行為を通して、これまで見過ごしてきた暮らしのなかの多彩な「文化」を微視的に抽出し、観察する。そして、受講者自身がストーリテラーとなり、小さな町についての「小さなエスノグラフィー」について、自らのことばやイメージを用いて伝える方法について議論する。
・到達目標
暮らしのなかの多彩な「文化」を語るとき、自分だけの興味・関心に終始してしまうのではなく、受講者同士の議論を通して新しい考えが生まれることを納得し、自分の発想にも活かせるようにする。
・キーワード
日常、観察、フィールドワーク、エスノグラフィー、文化人類学
【科目の位置付け】
教養科目:教養セミナー
【授業計画】
・授業の方法
本講義は、講義以外に、受講者たちがフィールドワークの企画、フィールドワークの実施、フィールドワークのまとめの3つのフェーズに分かれて展開する。フィールドの選定および詳細については講義中に説明する。また、受講人数と学生の習熟度に応じて課題や授業計画を変更することがある。
・日程
第1回:オリエンテーション 第2回:小さなまちを「旅」すること 第3回:モノを観察すること(1)(講義) 第4回:モノを観察すること(2)(実践) 第5回:日常を観察すること 第6回:エスのグラフィーを書くこと 第7回: フィールドワークの企画 第8回:フィールドワーク実践(1) 第9回:検討会・エスノグラフィー作成 第10回: フィールドワーク実践(2) 第11回:フィールドワーク実践(3) 第12回:検討会・エスノグラフィー作成 第13回:「小さなエスノグフィー」発表および論評 第14回:「小さなエスノラフィー」発表および論評 第15回:まとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
専門分野の方法論や数値的なデータではなく、フィールドワーク(あるく・みる・きく)で集めたデータをもとに考える。「現場で考える」「体で考える」(もちろん頭も使います)ことが合言葉!そして、自分の想像力を大事にすること。
・授業時間外学習へのアドバイス
普段から意識的に町を歩いてみること。そして、気づいたことをメモをしてみること。
【成績の評価】
・基準
講義およびフィールドワークへの取り組み方(60%)、レポート(20%)、エスノグラフィー(20%)
・方法
定期試験を行わず、提出物(エスノグラフィー、レポート等)、講義およびフィールドワークへの取り組み方で総合評価する。
【テキスト・参考書】
適宜、ハンドアウトを配布する。参考となる本:『torii』下道基行、『路上観察学入門』、赤瀬川原平他、『ストレンジオグラフィ』菅啓次郎
【その他】
・オフィス・アワー
必要に応じていつでも対応します。事前にご連絡ください。jgoya@kdw.kj.yamagata-u.ac.jp
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