現代の国際社会には，一国では解決困難な問題（武力紛争，テロリズム，大規模人権侵害，南北格差，地球環境問題など）が山積している。本講義では，これらの諸問題を検討の対象として，国際社会の共生について考えてみる。具体的には，国際社会の共生（＝上記諸問題の解決とみなす）を実現するために，国際法がどのような役割を果たしているか（果たせていないか，さらにはどうあるべきか）について，検討する。

上記の点について，国際法とは何かについて基本的な知識を身につけること。同時に，人類が国際社会において共生していくために，我々がどのような役割を果たすことができるかについて説得的に自分の意見を提示できるようになること。

主権国家，国連システム，多数国間条約，国際社会の公益，領土問題，人権の国際的保障，地球温暖化防止，平和構築

基幹科目（共生を考える）：国際社会における様々な問題を，「共生」という視点を通して考えることで，現代社会を共に生きるために必要となる多様なものの見方を自ら作り上げる力を養うための科目

レジュメ・資料を配布し，講義を中心に進める。日々生じている国際問題に関するニュースを積極的に取り上げて，講義テーマに沿った解説を加える。

1 イントロダクション：国際社会の共生と国際法
2 国際法はどのように発展してきたか？
3 現代の国際法はどのような特徴をもっているか？（2回）
4 国際法はどのように創られ，どのように適用されるか？（2回）
5 領土問題は国際法によって解決されるのか？
6 各国の人権問題を国際的に保障する？（2回）
7 個人を国際法で裁く？
8 国際法で地球環境問題を解決することはできるのか？
9 国際社会で法の支配（司法権）は確立できるのか？
10 どのように戦争をなくすか？（2回）
11 まとめと試験

レジュメ・資料を参照しながら講義を聞き，自分なりにノートをとる。疑問に思うことがあれば積極的に質問する。

日頃から，新聞等のメディアで報道されている国際問題に関心をもつ。
講義を聞いても分からなかった点，興味をもった点について，参考文献にあたって自分で調べておく。

①国際法の基礎的な事項について簡潔に説明できるか。
②国際社会の共生に向けて国際法がどのような役割を果たしているか，どのような課題があるかについて，多様な考えを自分なりに整理し，それに基づいて自分の考えを説得的に述べることができるか。
③課題や試験を通して，国際関係や国際法について新たな問題関心をもつようになったことが示されているか。

課題：30％，学期末試験：70％

参考書：松井芳郎『国際法から世界をみる―市民のための国際法入門〔第3版〕』東信堂，2011年
その他は，講義において適宜提示する。

この講義は，「国際問題」と「法」という二重の意味で，難しそうだという印象を与えるかもしれません。実際難しいと思います。しかし，勉強してみると実はとても身近な問題であり，大学生として一度は考えてみなくてはならない問題を扱います。奮ってチャレンジしてみてください。

木曜日14:30～16:30　丸山研究室