アモルファスな話(化学A)
 Topics of Amorphous Materials (Chemistry A)
 担当教員:臼杵 毅(USUKI Takeshi)
 担当教員の所属:理学部物質生命化学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義(一般)
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 形がなく、素性も知れず、整っていなくて、敷かれた道もない。まるでないない尽くしだけれど、果てしない夢と魅力がある。アモルファスとはそういうものである。アモルファスな物質を対象としたアモルファスな物理化学に関するアモルファスな話。。。それがこの講義の正体である。
 原子の並び方がスッキリと整っている「結晶」に対する物理化学は半世紀以上前に基礎が築かれました。一方、結晶でないアモルファスな物質の種類は多岐にわたっているために、研究も結晶に対する場合ほどには進んでおらず、どのような性質が見出されるか、まだまだ未知の可能性が秘められています。この講義は、結晶と比較しながらアモルファス物質の性質を整理し、そのパフォーマンスについて理解することをねらいとします。
・到達目標
 アモルファス物質に関する基礎的な性質を習得し説明できること、また、応用的側面からアモルファス物質を眺め、それらの間の関連性を論理的に整理して理解できることを目標とします。
・キーワード
 アモルファス、新素材、物性

【科目の位置付け】
 この授業は、アモルファス材料にスポットを当てながら、現代社会における材料科学の最新動向について幅広い知識を習得することを目指します。

【授業計画】
・授業の方法
 授業に関するプリントを配布し、講義形式で授業を進めます。難しい数式などは極力避け、できるだけ視覚的に理解が深まるように授業方法を工夫します。理解度アップを目的とした学生参加型演習(プレゼンテーション含む)も予定しています。
・日程
 第1〜3回. アモルファスの構造潤〜アモルファスって何だろう〜
    アモルファスとはどういう物質なのだろう。性質の特徴やミクロな構造を紹介しアモルファスを概観する。
 第4〜6回. アモルファスをつくる〜様々なアモルファス作製方法〜
    形状や用途によって異なる様々なアモルファス作製方法を紹介する。授業時間内にアモルファスの作製も試みる。
 第7〜10回. アモルファスな新素材〜アモルファスならではの機能性材料のいろいろ〜
    身近なアモルファス機能性材料を紹介する。その中で、アモルファスだから実現できた機能に触れる。
 第11〜13回. なにゆえにアモルファス〜アモルファスがアモルファスであるのはなぜか〜
    最新の研究情報に触れながら、一歩踏み込んだアモルファスの特徴や性質、構造などに迫る。
 第14〜15回. これからのアモルファス〜アモルファスの可能性と未来〜
    これから期待されるアモルファス物質の未知なる可能性を探る。

【学習の方法】
・受講のあり方
 プロジェクターによるスライドを用いて講義を進めます。その内容のみをただ単純にノートするのではなく、講義中の話をよく聞いて、乱雑でよいからノートに書き加えるように心掛けてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
 特にレポートの作成時などは、参考書やインターネットなどを最大限に活用してください。しかし、ただ写すだけでは身につきません。調べた内容を自分なりに整理し、自分の言葉で記述することが大切です。
 乱雑にメモしたノートをもとに、その日のうちに少し内容を整理するだけで、理解度アップにつながります。それをしないと、見たり聞いたりした内容を忘れてしまいます。

【成績の評価】
・基準
 アモルファス物質に関する基礎的な性質を説明できること、身の回りのアモルファス物質の特徴を捉え説明できること、またそれらの間の関連性を論理的に整理して説明できることを成績評価の基準とします。
・方法
 以下のような複数の演習作業の結果から、総合的に成績を評価します。
 中間演習(40点)、期末レポート演習(40点)、理解度アップ演習(20点)

【テキスト・参考書】
 テキスト:指定するテキストはありません。適宜、プリントを配布します。
 参考書:化学one point:3 アモルファス: 作花済夫著, 共立出版, 1983
     アモルファス半導体: 清水立生編著, 培風館, 1994 など
 講義の中で適宜紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 「アモルファスの話」となると何やら難しそうですが、「アモルファスな話」を心掛けますので、興味ある方はどうぞ。
・オフィス・アワー
 在室の場合、いつでも対応します。

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