サブカルチャー論(社会学)
 Sociological Analysis of Japanese Sub-Culture (Sociology)
 担当教員:貞包 英之(SADAKANE Hideyuki)
 担当教員の所属:基盤教育院
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 八〇年代以降のマンガやアニメを中心とするジャパニーズ・カルチャーを社会学的に分析します。
・到達目標
1) マンガやアニメを中心とするジャパニーズ・カルチャーが戦後いかなる発達を遂げたかを理解する。
2)サブカルチャーの成立がいかに消費社会の形成とむすびついていたかを理解する。
3) サブカルチャーを分析する社会学的手法を身につけ、それによって現代社会に対する独自の分析を実現する。
・キーワード
 マンガ アニメ サブカルチャー 消費社会 セクシュアリティ 学校 身体 戦争 アイドル スポーツ

【科目の位置付け】
 社会を構成し運営する自律した人間として生きるために、多様な見方を見につけ、かつ現代社会を歴史的かつ社会学的に知ることを目標にする。

【授業計画】
・授業の方法
 基本的にはレジュメを配布し、スライドを元にした講義をおこないます。
 授業の最後で各自レポートを執筆してもらいます。
・日程
 講義はわたしたちが日々消費しているマンガやアニメを中心としたジャパニーズ・カルチャーを「商品」として分析していくことを目的とします。授業は以下のパートに分けられます。

1) 戦後ジャパニーズカルチャーの成立の分析(2-8回)
 少年マンガ、少女漫画、アニメを題材として、現在に至るまでのマンガやアニメがなぜ戦争や死、学校や恋愛ばかりを主題として展開されてきたかを分析する。

2) サブカルチャーに描かれた身体の歴史(9-13回)
 サブカルチャーには、身体に対する言説という側面がある。そのことを二〇世紀初頭のアメリカ消費社会の誕生にまでさかのぼり分析し、現代いかなる身体表現が人気を呼んでいるのかを考える。

3) 現代サブカルチャーの分析(14-15回)
 以上を踏まえ、現代のサブカルチャーがなぜどこに向かいつつあるのかを、オタクや二次創作の増加、テクノロジーの更新といった社会変容の分析を前提に理解する。 

【学習の方法】
・受講のあり方
 授業は講義を基本としますが、最後にレポートの提出を求めることを計画していますので、しっかり準備してください。
・授業時間外学習へのアドバイス
 取りあげられた作品をなるべくみるとともに、レポートの準備を行ってください。

【成績の評価】
・基準
 以下を成績評価の基準にします。
1) 戦後サブカルチャーの変容の歴史を理解する。
2) サブカルチャーに描かれきた身体表現の歴史とそれが社会の変容にいかに結びついていたかを理解する。
3) サブカルチャーを分析する社会学的技法を見につけ、実際に作品を分析していく。
・方法
 小テストを2回(それぞれ15点)おこなうともに、講義の初めと終わりに、授業の内容を踏まえていることを確認するレポートを課す(それぞれ30点、40点)。
 

【テキスト・参考書】
 参考文献
 貞包英之「ジャパニーズ・カルチャーのレッスン」『映画プロデュース研究』第4号
 内田隆三「都市の現在、都市の曲率」『未明からの思考』ハーベスト社
 米沢嘉博『戦後少女マンガ史』筑摩書房
他はその都度指示する。

【その他】
・学生へのメッセージ
 かならずしもマンガやアニメに詳しい必要はありません。むしろなぜ現代社会においてサブカルチャーが人気を集めているのか知的に分析することに関心ある者の受講を歓迎します。
・オフィス・アワー
 在室中、随時。

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