日本語音韻史入門(言語学)
 Introduction to Japanese Historical Phonology (Linguistics)
 担当教員:中澤 信幸(NAKAZAWA Nobuyuki)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 「一ぱい、二はい、三ばい…」。同じ「杯」なのに、なぜ読み方が異なるの?「私は」はなぜ「ワタシワ」なの?「反応」はなぜ「ハンノウ」なの?…日本語の発音には「不思議」が本当に多いですね。実はこのような「不思議」は、日本語音韻の歴史的変化に起因していることが多いのです。この授業では日本語音韻史を学びながら、さまざまな日本語の発音の「不思議」を解明していくことにしましょう。
・到達目標
 日本語音韻の歴史的変遷に関する知識を習得できる。また現代日本語の「不思議」な発音について説明できるようになる。そして言葉に対する興味を持つようになる。
・キーワード
 日本語 音韻 言語史 仮名遣い

【科目の位置付け】
 日本語の発音についてさまざまな視点から考察することで、課題発見のための手がかりを与え、論理的かつ批判的な思考力の涵養を図ります。

【授業計画】
・授業の方法
 配布プリントとパワーポイントによる講義を行います。講義終了時に課題(ミニレポート)を出し、次の講義の始めに回収します。
・日程
 第1回 わたしはがっこうへ―ハ行転呼音
 第2回 一ぱい、二はい、三ばい―漢字音
 第3回 は、ば、ぱ―清音と濁音
 第4回 さしすせそ、たちつてと―子音の音価
 第5回 ざじずぜぞ、だぢづでど―四つ仮名
 第6回 りっしゃくじ?りゅうしゃくじ?(立石寺)―漢字音の入声
 第7回 はんのう(反応)―連声
 第8回 さんがい(三階)―連濁
 第9回 ごはんを―仮名遣い
 第10回 いろは歌47(フォーティーセブン)
 第11回 あいうえお―五十音図
 第12回 てふてふ―字音仮名遣い
 第13回 ウマは和語?漢語?
 第14回 マンジュウは何語?
 第15回 期末テストと授業のまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
 講義ではパワーポイントを用いる他、適宜必要事項を黒板に記していきます。また口頭で補足することもあります。それらの情報について、適宜要領よくノートを取ってください。
・授業時間外学習へのアドバイス
[予習のあり方]
 参考書にあらかじめ目を通しておいてください。
[復習のあり方]
 講義終了時に課題(ミニレポート)を出しますので、次回までに各自の回答を指定の用紙に記入しておいてください。また質問事項・感想等も記入してください。

【成績の評価】
・基準
 ①毎回のミニレポート(講義終了時に課題を出す)、②期末テストの2つで評価します。基準は1) 現代日本語の「不思議」な発音について説明できているか、2) 日本語音韻の歴史的変遷に関する知識を習得できているか、です。
・方法
 ミニレポート(30%)・期末テスト(70%)

【テキスト・参考書】
[参考書]
 飛田良文他編『日本語学研究事典』(明治書院、2007)

【その他】
・学生へのメッセージ
 日本人(日本語母語話者)にとっては「当たり前」のような事象も、日本語を外国語(第二言語)として学ぶ外国人(日本語非母語話者)にとっては、とんでもなく難しく感じることがあります。これからの国際化社会を生き抜くためにも、日本語のこのような事象を説明できるようになっておきましょう。
・オフィス・アワー
 火曜日 13時~17時 中澤研究室
 アポイントにより他の時間帯での面談にも応じます。(電話または電子メールで予約すること。)

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