物理と微分方程式:自然現象を紐解く技術(物理学)
 Role of differential equations in physics: Mathematics as a useful tool (Physics)
 担当教員:衛藤 稔(ETO Minoru)
 担当教員の所属:理学部物理学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義(一般)
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
多くの学生さんが「微分方程式」って難しそうなイメージを持っていると思います。そのイメージを払拭してもらうことが本講義の狙いです。微分方程式が如何に有用かを実感してもらうために、授業中に様々な自然現象を取り上げます。微分方程式の数学的な側面ではなく、その「使い方」について学びます。
・到達目標
1)微分方程式の基礎を身に付ける
2)様々な自然現象に対して微分方程式が如何に有用かを知ることが出来る
3)微分方程式の「使い方」を身に付ける
・キーワード
物理,数理自然科学,微分方程式

【科目の位置付け】
この授業では、自然現象や社会現象について微分方程式を用いて考察することで、健全な批判的精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。(基盤教育の基本理念より)

【授業計画】
・授業の方法
1)毎回微分方程式が利用出来る自然現象に関する諸問題を順次取り上げる。物理現象だけでなく、人口問題などの身近な社会現象など、出来るだけ幅広い現象を扱う。
2)講義はスライドで行う。
3)教員からの一方通行な授業ではなく、学生が積極的に授業参加が出来るよう質疑応答の機会を多く設けます。
・日程
第1回:ガイダンス
第2回:微分積分の基礎と微分方程式
第3回:エクセルで解こう!微分方程式
第4回:放射性炭素(C14)年代測定:アーサー王と円卓の騎士を題材として
第5回:a) 血中アルコール濃度と飲酒運転の事故発生率を題材として
    b) 冷却と加熱:ニュートンの冷却法則を題材として
第6回:変数分離型の微分方程式:水の流出に関するトリチェリの法則を題材として
第7回:人口予測
    a) マルサス模型
    b)ヴェアフルスト模型とロジスティック曲線
第8回:ロケット打ち上げマネージメント
第9回:星(太陽/月/地球)の運動
第10回:化学反応と微分方程式
第11回:贋作判定(フェルメールを題材として)と原子核
第12回:GTT試験(糖尿病判定)/生物の生存競争
第13回:振動
第14回:非線形2回微分方程式/追跡曲線(追尾ミサイルの力学)
第15回:相平面と安定性
これはあくまでも予定であり,学生の理解度などに応じて授業の進度は変わってきます。

【学習の方法】
・受講のあり方
スライドのコピーにマーキングやメモを取る。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)授業中に配ったスライドを復習する
2)課題レポートを必ずやる
3)授業中に分からなかったところについて、ゆっくり考え直し自分なりの理解をする

【成績の評価】
・基準
1)微分方程式の基礎的な知識が身に付いているか
2)微分方程式の使い方が身に付いているか
3)微分方程式を使うことで自然現象を正しく理解出来るか  を合格の基準とします
・方法
レポート課題 全4〜5回(各20〜25点)の合計点

【テキスト・参考書】
【参考書】微分方程式で数学モデルを作ろう/デヴィッド・バージェス, モラグ・ボリー著/垣田高夫, 大町比佐栄訳. 日本評論社

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