【授業概要】
・テーマ
観察と分類から始まった生物学は、遺伝子の本体とその機能発現の仕組みが明らかにされた20世紀中頃から急速な発展を遂げ、さまざまな生命現象が細胞・組織レベルでの遺伝子発現によって説明されるようになった。この過程で、生物学は自然科学、人文科学の諸分野と大きな関わりを持つようになった。それゆえ、生物学への理解は、教養人として必須のものとなった。本講義では、遺伝子機能が発現される仕組みを概説し、結果として発揮される細胞増殖、細胞機能発現の仕組みについて解説する。理解の過程で必要となる遺伝子機能の解析法についても解説する。
・到達目標
生物の基本単位である細胞の構造と機能を理解する。さらに、細胞が増える仕組みや細胞機能が発現をする基本的な仕組みを、その過程で必要とされる遺伝子複製、発現機構を基盤として説明できるようになる。また、細胞機能の解析法を理解し、実際のデータの解釈ができるようになる。
・キーワード
細胞、遺伝子機能、DNA、RNA、タンパク質
【科目の位置付け】
この授業は、高校等で生物学を履修した学生が、より発展的な遺伝子機能発現を基盤とする生物学を習得するものである。
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントスライドと配布資料を用いた講義形式。内容的にまとまりの良いところで、小テスト(計5回)を行う。
・日程
第1回:ガイダンス(講義のねらいや進め方と復習についての説明) 第2回:細胞の構造 第3回:細胞を構成する化学成分と機能 第4回:DNAの構造と機能 第5回:DNA複製の仕組み 第6回:DNA修復の仕組み 第7回:転写の仕組み 第8回:転写レベルでの遺伝子機能調節 第9回:翻訳の仕組み 第10回:遺伝子機能の転写後調節 第11回:タンパク質をベースとした細胞機能の理解 第12回:転写産物をベースとした細胞機能の理解 第13回:顕微鏡観察をベースとした細胞機能の理解 第14回:細胞が増殖する仕組み 第15回:授業のまとめと期末考査
【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントスライドで示される講義内容を、適宜配布されるプリントやノートに筆記しながら内容の理解に努めること。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義終了後、可及的速やかに復習すること。学んだ内容を関連付けながら再構築してみるなど、各自で工夫をして、最終的に体系的な理解につなげるように努めること。
【成績の評価】
・基準
生物の基本単位である細胞の成り立ちと、細胞機能発現の基本的な仕組みを概念や用語とともに理解できていることを合格の基準とする。
・方法
小テスト50点(各10点x 5回)+期末考査40点+講義への取り組み10点を合算し、評価する。
【テキスト・参考書】
「細胞の分子生物学(ニュートンプレス)」、「Essential 細胞生物学(南江堂)」など基礎レベルの教科書。生物一般の現象を扱うので、材料や対象を限定した専門的な教科書で無い方が良い。
【その他】
・学生へのメッセージ
高校で生物学を履修し(あるいはそれと同様の理解があり)、遺伝子機能が発現する仕組みに興味のある学生向けの発展的な講義です。高校の教科書などに出ている事実がどのような研究で理解されたかを理解できるようになれば、及第点と言えるでしょう。
・オフィス・アワー
講義初回に通知する。
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