ミクロ経済学で学ぶ国際貿易論(経済学)
 Introduction to Microeconomics: Applications to International Trade(Economics)
 担当教員:亀井 慶太(KAMEI Keita)
 担当教員の所属:人文学部法経政策学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
皆さんは、コンビニやスーパーで商品を購入する際、まず初めにどこに注目するでしょうか?多くの人は、商品の価格(値札)に注目することと思われます。店頭で売られている商品には、自国製・外国製など関係なく必ず価格が付いています。では、その「価格」は、その「価格」として成立したのでしょうか?本講義では、「どのようなメカニズムで商品・サービスの価格が決定するのか」というナゾについて近代経済学の視点から分析を行います。さらに本講義では、価格決定のメカニズムを明らかにした後、その議論の幅を拡張することで、なぜ国際間の貿易が発生するのかについて明らかにしたいと思います。(本講義は2015年度後期開講の「ミクロ経済学入門」とほぼ同一の内容であるので、特段の事情がない限り、両方の履修はできません。)
・到達目標
・教養レベルのミクロ経済学の学習を通して、商品・サービス価格決定のメカニズムについて学び、幾つかの具体的な経済現象の評価分析を独力で行うことができるようになること
・ミクロ経済理論の応用として国際貿易について議論できるようになること。
・キーワード
消費者、生産者、政府、余剰分析、貿易利益

【科目の位置付け】
ミクロ経済学に対する理解を通して、幅広い教養を養うための基盤づくりを目指します。

【授業計画】
・授業の方法
ミクロ経済学の基礎理論について講義を行い、国際貿易へ応用します。基本的に事前配布する講義資料を基に進めていきます。なお、各講義中に練習問題を課す予定です。
・日程
第1回目 講義のガイダンス
第2-3回目 需要理論:買いたい人の行動について
第4回目 供給の理論:売りたい人の行動について
第5回目 弾力性について:その商品は贅沢品か必需品か
第6回目 市場の理論:神の見えざる手とは
第7回目 経済理論と現実の経済現象:豊作貧乏について
第8回目 余剰分析:租税に関する一考察
第9回目 国際貿易への応用:小国開放経済モデル
第10回目 国際貿易への応用:大国モデル
第11回目 市場だけで解決しないこと(1):外部効果と公共財
第12回目 市場だけで解決しないこと(2):なぜ独占は困るのか
第13回目 ゲーム理論の初歩:囚人のジレンマゲーム
第14回目 ゲーム理論の応用:関税戦争と補助金政策について
第15回目 試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
講義ノートの内容を理解することに努めること。特に、用語の定義や図の意味についてしっかりと把握すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義前に公開する講義スライドを事前に目を通し、わかりにくい箇所を明らかにしておくことが望ましい。講義後は、講義中に強調したポイントを中心に復習を行うと理解が深まるであろう。

【成績の評価】
・基準
価格決定メカニズムを理解し、ミクロ経済学の分析ツール(主に図)を利用していくつかの具体的な経済現象を適切に分析・評価できることを合格基準とします。
・方法
レポート30%+期末テスト70%で評価します。

【テキスト・参考書】
講義資料を基に講義を行いますので、テキストは必要ありません。
なお、講義内容はほとんど以下の教科書に準じていますが、現在絶版になっています。
教科書:家森信善/小川光『基礎からわかるミクロ経済学[第2版]』中央経済社、2007年

【その他】
・学生へのメッセージ
可能な限り数式は扱いません。少しでも経済学に興味のある方は是非受講してください。
・オフィス・アワー
火曜日の13:00-16:10, 亀井研究室
それ以外の時間帯でも研究室に在室していれば質問に応じます。

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