マルコ・ポーロ『東方見聞録』を読む(教養セミナー)
 Reading The Travels of Marco Polo(Education Seminar)
 担当教員:新宮 学(ARAMIYA Manabu)
 担当教員の所属:人文学部人間文化学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
 マルコ・ポーロの『東方見聞録』は、近代以前のユーラシア世界を考える上でとても重要な文献である。かの新大陸を「発見」したコロンブスも、航海の最中『東方見聞録』を日々ひもといたと言われ、彼自身による366箇所もの書き込みのあるテキストが、いまもスペインのセヴィリアにある図書館に現存している。さしずめ現代で言えば、海外を旅行する若者のバイブル『地球の歩き方』といったところであった。
 授業では、これをテキストに用いてマルコ・ポーロとともにユーラシアを旅することにしたい。
 史料(文献)をもとに「異文化」の時空を旅することによって、多元的で多様なユーラシア世界について理解を深める。報告の仕方、事典・辞書類の利用、文献入手方法についても指導する。
・到達目標
 史料を読むことの面白さを味わうとともに、報告の仕方、レジュメの作成方法について学ぶ。
・キーワード
ユーラシア世界、旅行、「異文化」体験、東西交流

【科目の位置付け】
 健全な批判精神に裏打ちされた幅広い教養を修得する。

【授業計画】
・授業の方法
 最初の2回は、ガイダンスと文献解題をおこなう。その後、分担を決めてテキストを読みすすめていく。担当者は、テキストの内容などを説明するレジュメを作成して報告する。これに基づき、他の出席者は質問や批判を行い、全員で検討を加えていく。
・日程
第1回 オリエンテーション
第2回 ビデオ学習(大モンゴル1)
第3回 世界史と遊牧民
第4回  序章(旅行の概略)
第5~6回 第1章 西アジアから中央アジアを縦断して
第7~8回 第2章 中国の西北辺境をを行く
第9~12回 第3章 フビライ・カーンの宮廷事情
第13~14回 第4章 雲南への使節行
第15回 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
 開講時には、受講を希望する理由を記入させる。担当者の報告と、それをもとにしたディスカッションを中心に進めていく。

・授業時間外学習へのアドバイス
 予習では、毎回必ずテキストを一読したうえで、講義に出席する。
 担当者は、要約の作成、図書館等での参考文献調べなど、少なくとも一週間前から準備に取りかかる。

【成績の評価】
・基準
 テキストの内容を正確に要約し、その面白さを説得力をもって説明できることを合格の基準とする。 
・方法
 報告を担当した時のレジュメと報告の内容、及び議論内容などで評価する。
報告 60%  平常点(質疑応答・出席) 40% 

【テキスト・参考書】
テキスト: マルコ・ポーロ、愛宕松男訳注『東方見聞録』1 平凡社ライブラリー、または平凡社東洋文庫
 参考書: 海老澤哲雄『マルコ・ポーロ』(山川出版社・2015)高田英樹訳『世界の記「東方見聞録」対校訳』名古屋大学出版会・2013)、杉山正明著『クビライの挑戦-モンゴル海上帝国への道』(朝日新聞社・1995)』、『アジア歴史事典』全10巻(平凡社) このほか、随時紹介する

【その他】
・学生へのメッセージ
高校段階で「世界史」や「地理」の未履修者も歓迎する。。
・オフィス・アワー
 火曜日 12時30分~13時30分 木曜日 12時00分~13時 新宮研究室 (人文学部)

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