【授業概要】
・テーマ
分子の対称性について理解し,分子軌道の考え方を理解することがねらいです。中学校で習った点対称や線対称などは二次元平面の対称性でしたが,分子の形を考えるために三次元空間の対称性を学習します。
・到達目標
1)分子の成り立ちを理解し,簡単な分子の構造がわかるようになる。 2)簡単な分子や立体の対称性(対称要素と対称操作)を理解する。 3)簡単な分子や空間図形を対称性に基づいて組み分け(対称点群に帰属)できるようになる。 4)分子軌道の対称性について理解する。
・キーワード
分子,原子軌道,分子軌道,対称要素,対称操作,対称点群
【科目の位置付け】
この授業は,中学校までに習った平面図形の対称性の考え方を発展させ,分子の形や性質を考えるために必要な基礎的な考え方を習得するものです。分子の対称性に関する考え方は,のちに分子軌道法や結晶学などを学習するときに役立ちます。
【授業計画】
・授業の方法
分子の成り立ちについては講義形式,対称性についてはクイズ形式でおこないます。その他,立体的に考えるトレーニングをおこないます。注:クイズの正解率を競うのではありません。クイズを楽しみながら,立体的に考える練習をします。
・日程
第1回目 授業のすすめ方とガイダンス 第2~4回目 分子の成り立ちなど 第5~8回目 対称要素と対称操作(クイズ形式) 第9~13回目 対称点群(クイズ形式) 第14回目 総まとめ 第15回目 まとめとファイナルクイズ
【学習の方法】
・受講のあり方
楽しくクイズに参加してください。(クイズの答えは自分のノートに書きます。) 楽しくクイズを続けるために,クイズのルールを覚えていってください。 普段のクイズの正解率は重要ではありません。答えを聞いて,なるほどと思えればOKです。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習は,とくに必要ありません。 冴えた頭で授業に臨んでください。 もし,授業中に習得できないところがあれば,早めにしっかりと身につけましょう。
【成績の評価】
・基準
到達目標に記された4点(おもに3)ができることを合格の基準とします。
・方法
ファイナルクイズの得点をもって評点とします。 正当な理由なく欠席した場合は減点の対象となります。
【テキスト・参考書】
テキスト:Alan Vincent 著 崎山 博史 ・ 柴原 隆志・ 鈴木 孝義 ・ 半田 真 ・ 御厨 正博 訳「演習で理解する 分子の対称と群論入門」(丸善出版) 参考書:F. Albert Cotton 著 中原勝 訳「群論の化学への応用」(丸善出版)
【その他】
・学生へのメッセージ
楽しく学習し,立体的に考えるトレーニングをしましょう。
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