【授業概要】
・テーマ
ヒルベルト空間上の有界線形作用素で最も重要な作用素である正規作用素、自己共役作用素およびそれらの一般化にあたる作用素の性質やスペクトラムについて、それらの作用素が満たす作用素不等式を通して学ぶ。具体的な例についてこれらの性質を確かめる。
・到達目標
ヒルベルト空間上の有界線形作用素の基本的性質やスペクトラムといった概念を理解し、重要な正規作用素、自己共役作用素およびそれらの一般化にあたる作用素について、それらが満たす作用素不等式が作用素やスペクトラムの性質とどのように関係しているのかを理解する。具体的な例についてこれらの性質を確かめたり種々のスペクトラムを計算できるようになる。
・キーワード
有界線形作用素、コンパクト作用素、正規作用素、自己作用素、スペクトラム、作用素不等式
【科目の位置付け】
この授業は,理工学研究科ディプロマ・ポリシー「理学の発展に貢献しようとする意欲を持ち,課題を解決するための高度な専門的知識と経験を体系的に修得している」に関連する。
【授業計画】
・授業の方法
講義形式による。毎回小テストまたはレポート課題を課す。
・日程
1.ガイダンス(10分程度)、ヒルベルト空間(定義、有界線形作用素) 2.スペクトラム 3.作用素の大小 4.作用素不等式と作用素の像(ダグラスの定理) 5.正規作用素 6.自己共役作用素 7.コンパクト作用素 8.コンパクト正規作用素のスペクトル分解 9.自己共役作用素のスペクトル分解1. 10.自己共役作用素のスペクトル分解2. 11.ハイポノーマル作用素 12.フグレデ・パットナムの定理 13.ワイルの定理 14.growth condition 15.スペクトルの孤立点と対応するリース射影作用素
【学習の方法】
・受講のあり方
講義を聴き,ノートをとり,積極的に質問する。
・授業時間外学習へのアドバイス
ノートを整理し,疑問点を解消するよう努める。
【成績の評価】
・基準
講義内容の理解度による。 具体的な作用素について種々のスペクトラムを計算できる。 正規作用素、自己共役作用素の基本的性質を理解し具体例で検証できる。
・方法
講義内容の理解度および具体的な作用素について種々のスペクトラムを 計算できるか、正規作用素、自己共役作用素の基本的性質を理解し具体 例で検証できるかを小テストおよびレポートで評価する。
【テキスト・参考書】
テキストは使用しない。
【その他】
・学生へのメッセージ
じっくり考えてみよう。
・オフィス・アワー
講義中に連絡する。
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