【授業の目的】
比較文学の手法を学び実践する
【授業の到達目標】
1.同じテーマあるいはモチーフでも、複数の見方・とらえ方が可能であることが理解できる。 2.取り上げられたテーマあるいはモチーフについて、自分なりの考えを持つことができる。 3.そのようにして得られた考えを、的確に表現し、発信することができる。
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修すること。
【授業計画】
・授業の方法
各テーマごとに最適な文学作品を取り上げ、引用文を参照しながら講義する(引用文集(言語は日本語)は紙媒体で用意するが、説明には主にパワーポイントが使用される)。 映像化されているものについては、内容を理解する目的で、一部を鑑賞することもある。 授業内で適宜「ワークシート」を配付し、受講者の意見を聞く。
・日程
【第1部 衝動的な殺人、動じない殺人者】 人生はペナルティ・キックを待つようなもの:ペーター・ハントケ『ゴールキーパーの不安』 動機は「太陽のせい」:アルベール・カミュ『異邦人』 殴りだしたら止まらない:中村文則『遮光』 【第2部 人間観あるいは死生観】 残された人間の「心の成仏」:玄侑宗久『中陰の花』『リーラ』 「そうだ、これでよかったんだ」:ペーター・ハントケ『幸せではないがもういい』 死にゆくテロリスト:ベルンハルト・シュリンク『週末』 生は死の準備:ウィリアム・フォークナー:『死の床に横たわりて』 ガンジス川、次の世へ:遠藤周作『深い河』 【第3部 記憶の再生・過去・過去の過ち】 自由の刑に処せられたホリー、回想による救い:トルーマン・カポーティ『ティファニーで朝食を』 直子の中のキズキの記憶、「僕」の中の直子の記憶:村上春樹『ノルウェイの森』 戦争の記憶ー加害者としての:竹山道雄『ビルマの竪琴』、北杜夫『夜と霧の隅で』、ベルンハルト・シュリンク『朗読者』 ※テーマおよび作品は若干変更されることがある。また、進度によって割愛される作品が生じる可能性もある。かならず扱ってほしい作品がある場合には、希望を出すことも可能である。 ※個々の作品分析ではなく(それは、各国文学の専門家による授業にゆだねたい)、あくまで比較によって何が得られるかに重点を置く。
【学習の方法】
・受講のあり方
これらのテーマに興味を持ち、「自分ならこの作品をどう読むか」をたえず考えながら講義を聞くこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業中に考えたことを文章化しておく。
【成績の評価】
・基準
主体的な参加の度合い、知識の修得の度合い、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力・文章表現力など)取得の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて評価する。
・方法
ワークシートと期末レポートによる。ワークシートでは、主に主体的な参加の度合い、知識の修得の度合い、理解の度合い、期末レポートでは、主に汎用的技能(論理的思考力・文章表現力など)取得の度合いを見る。 学期中数回配付されるワークシート 計40点 期末レポート 60点
【テキスト・参考書】
テキスト:適宜プリントを配付する。 参考書:授業中に紹介する。興味があれば参照する。
【その他】
・オフィス・アワー
木曜日12時~13時、人文学部2号館3階東端渡辺将尚研究室 なお、会議・出張などが入ることがある。事前にメール等により照会しておくことを勧める。
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