相対論
 Relativity
 担当教員:遠藤 龍介(ENDO Ryusuke)
 担当教員の所属:理学部物理学科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物理学科  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
特殊相対論の基本原理と,それから導かれる時空概念の理解を目的とする.

【授業の到達目標】
相対論の二つの基本原理とその実験的な根拠を説明できる.
二つの慣性系の間に成り立つ時間と空間の関係を理解し,光速度の有限性を無視できない場合の自然現象を説明できる.
相対論に関して思い違いをしている人があれば,その原因を指摘し,正しい結論に導くことができる.

【授業概要(キーワード)】
等価原理,重力による時間の遅れ,相対性原理,光速度不変性,時間の遅れ,ローレンツ収縮,同時性,速度の加法則,エネルギーと質量の等価
性,ローレンツ変換,ミンコフスキーの4次元時空,インターバル,4次元ベクトル

【科目の位置付け】
相対論は量子力学と並んで現代物理学の土台です.これを学ぶことにより,自然法則についての理解を自己の中に体系化し,幅広い視野と探求心を持つことを目指して下さい(理学部ディプロマ・ポリシー)
物理学科の重要科目として位置づけられています.

【授業計画】
・授業の方法
配布プリントにもとづいて板書による講義を行う.
・日程
0. 導入.一般相対論キーワード,等価原理と重力による時間の遅れ.特殊相対論の実験的根拠
1. 相対性原理.光速度不変性
2. 限界の速さ.マイケルソン-モーレー実験.時間の遅れ.
3. 長さの縮み.同時性.
4. 時間・長さのパラドックスと同時性
5. 速度の加法則
6. エネルギーと質量の等価性
7. 運動方程式
8. ローレンツ変換の導出,インターバルの不変性
9. ローレンツ変換からの帰結(時間の遅れ,長さの縮み)
10.ローレンツ変換からの帰結(同時性,速度の加法則)
11.ドップラー効果.4次元の記法
12.Minkowskiの時空図,世界線,光円錐,因果律.
13.固有時.一様加速度運動,円運動
14.4次元ベクトルと物理量
15.まとめ(テストを含む)

【学習の方法】
・受講のあり方
相対論特有の考え方に慣れるためにも,十分な復習をして下さい.
・授業時間外学習へのアドバイス
専門書,一般書などを読むなどして,相対論への興味を培ってください.相対論のいろいろな題材で,筋道だった考え方の練習をしてください.
いろいろなことをごっちゃにしたまま憶えてはいけません.まずは整理が大事です.

【成績の評価】
・基準
次のことが出来れば合格とする:
相対性原理と光速度不変性からいかにして時間の遅れや長さの縮み等の結論が出てくるかを初等的に説明できること.
相対論の基本的な概念や考え方を理解し,取り扱えること.
・方法
レポート60点,期末試験40点.

【テキスト・参考書】
プリントを適宜配布する。
参考書としては,例えば,
松田卓也・二間瀬敏史「なっとくする相対性理論」講談社
E.M.パーセル「バークレー物理学コース2 電磁気 上」丸善
W.リンドラー「特殊相対性理論」地人書館

【その他】
・学生へのメッセージ
相対論関係の本やWebページには,怪しげな内容のものもよくありますので,批判的な眼で見てください.
・オフィス・アワー
研究室にいるときは随時対応します.webクラスでの質問や面談の予約も可能.

30200490-2017-03-32280