総合昆虫管理学
 Integrated Pest Management
 担当教員:佐藤 智(SATO Satoru)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科安全農産物生産学コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分:コース選択科目  
【授業の目的】
広義の農学に含まれる食料-生命-環境に関する多面的な諸課題の理解を深めるため、この講義では農薬による害虫防除の歴史や問題点を紹介し、総合昆虫管理学の必要性とその基礎となる生物の種間相互作用及び研究例などを学び、害虫管理における総合昆虫管理学の基礎知識の習得、重要性の理解および最近の研究動向を理解することを目的とする。

【授業の到達目標】
この講義を受講した学生は、
1)総合昆虫管理学の基礎知識、重要性、最近の研究動向を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
個体群動態、害虫防除、種間相互作用、総合的害虫管理、生物多様性、総合的生物多様性管理

【科目の位置付け】
この授業は、安全な農畜産物の生産に必要な基礎科学に関する科目である。本授業を受講するまえに、応用昆虫学を受講しておくことが望ましい。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを用いて学生参加型の講義を行う.講義に関連する大まかな資料を当日配布する.必要に応じて各自で資料内容を補完すること.
・日程
1.農薬による害虫防除
2.総合的害虫管理
3.害虫個体群の変動予測
4.多様な種間相互作用を活かした害虫管理
(1)捕食者-餌系の種間相互作用
(2)捕食寄生者-寄主系の低密度安定化機構
(3)生食連鎖と腐食連鎖の結合した食物網と害虫管理
(4)植物の誘導防御反応と天敵の利用
5.総合的害虫管理の実例
(1)土着天敵を利用した総合的害虫管理
(2)土着天敵を利用したリンゴ園の総合的害虫管理
(3)生息場所管理による土着天敵の利用とダイズ害虫管理
6.生物多様性と害虫管理
7.総合的生物多様性管理
8.世界農業のゆくえと害虫管理

【学習の方法】
・受講のあり方
講義の最初に前回の復習をします.講義中はディスカッション、質疑応答を頻繁に行います。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義内容と配布資料を基に復習してください.

【成績の評価】
・基準
総合昆虫管理学の知識に関する複数の問題について論述形式で試験を課し、それらの知識の習得度合の絶対評価とする。到達目標に関する知識を正しく理解していることを合格の基準とする。
・方法
出席状況と試験結果から総合的に100点満点で評価し、60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
特に指定しない。

【その他】
・学生へのメッセージ
総合昆虫管理学の講義の他に自然科学を学ぶ上で必要なことも雑談の中で紹介する。
授業中に内容について自ら積極的に考えることを希望します。
・オフィス・アワー
随時メールで受け付けます。

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