素粒子原子核概論
 Introduction to Subatomic Physics
 担当教員:吉田 浩司 (YOSHIDA Hiroshi), 岩田 高広 (IWATA Takahiro), 田島 靖久 (TAJIMA Yasuhisa), 宮地 義之 (MIYACHI Yoshiyuki)
 担当教員の所属:学士課程基盤教育機構教育企画部,理学部
 開講学年:2年(平成28年度以前入学者対象)  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:選択科目 
【授業の目的】
素粒子および原子核のミクロな世界の物理学について概説する。クォークとレプトンの世界の物理学およびクォークやハドロンの多体系の物理学について解説する。

【授業の到達目標】
散乱実験など研究手法、ハドロンの構造など物質の階層性、相互作用と対称性、測定器など実験技術を中心に現代物理学の成果・到達点を知り、未解決の問題について考察できるようになる。

【科目の位置付け】
素粒子原子核物理学を広く概観することにより「課題を解決するための高度な専門的知識と経験を体系的に修得」するための科目である。(理工学研究科博士前期課程(理学系)のディプロマ・ポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
それぞれの分野を専門とする教員が、以下の日程により講義形式で授業を行う。
・日程
1.物質の構造と研究手法(岩田) 4回
物質階層構造の探求/ハドロンの構造解析の方法/電子散乱の運動学/ラザフォード散乱/モット散乱/原子核の電荷分布/核子形状因子
2.ハドロンの構造(宮地) 4回
ニュートリノ散乱と核子の構造/深非弾性散乱と核子構造関数/パートンモデル/クォークと強い相互作用/構造関数のスケーリング則とその破れ/核子のフレーバー構造/核子のスピン構造
3.素粒子の物理学(吉田) 4回
中間子論からクォークへ(強い相互作用の物理学)/レプトンと弱い相互作用(ニュートリノの物理学/レプトン数/μ粒子と世代/パリティ非保存/中性K中間子とCP対称性の破れ)
4.粒子線検出器(田島) 3回
素粒子と物質との相互作用/粒子の飛跡とエネルギーの測定/荷電粒子検出器/γ線検出器/中性子検出器/データ収集システム

【学習の方法】
・受講のあり方
量子力学の基本と関連づけながら授業を受けましょう。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習復習は特に必要ありません。疑問点を確認しながらノートを整理しましょう。

【成績の評価】
・基準
各授業担当者が1回以上のレポートを課す。散乱実験、ハドロンの構造、相互作用と対称性、実験技術について、授業内容への理解が正しくレポートに反映されていること。
・方法
レポートは各担当者25点、計100点満点。

【テキスト・参考書】
教科書は使用しない。参考書として以下をあげておく。
相原 博昭『素粒子の物理』(東京大学出版会)
H. Frauenfelder & E.M. Henley『Subatomic Physics』(Prentice-Hall)
渡邊 靖志『新物理学シリーズ33 素粒子物理学入門』(培風館)

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