化学実験Ⅵ
 Practical Chemistry VI
 担当教員:奥野 貴士(OKUNO Takashi),大谷 典正(OHYA Norimasa),田村 康(TAMURA Yasushi)
 担当教員の所属:理学部理学科
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:実験
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
微生物の取り扱いと生体分子の分析および解析方法

【授業の到達目標】
* 微生物を培養・単離する方法を習得する
* 遺伝子組換え実験を安全に行うことができる
* 大腸菌からカラム操作によりタンパク質を精製できる
* タンパク質の定量ができる
* 酵素活性を測定することができる

【授業概要(キーワード)】
微生物の取り扱い,クローニング, タンパク質精製, SDS PAGE,PCR,アガロース電気泳動, 酵素反応,実験レポ-トのまとめ方

【科目の位置付け】
専門分野において修得した知識に基づき、実験結果を主体的に解析/考察する方法を習得する。実験操作および結果についてディスカッションし、課題に対して協同で取り組めるコミュニケーション能力と、社会の要請する課題を独創的かつ柔軟に解決し、その結果を表現する能力を身につけることを目的とする。(理学部ディプロマポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
数名のグループに分かれて協同で実験を行う。得られた結果を各自で実験レポートにまとめる。
・日程
[クローニング実験の基礎]
第1回:注意事項と実験操作の説明   
第2回:PCRによる遺伝子増幅と形質転換 
第3回:培養液の調製と培養 
第4回:DNAの精製と形質転換 
第5回:アガロース電気泳動とデータのまとめ

[GFPタンパク質の精製]
第1回:注意事項と実験操作の説明  
第2回:大腸菌の培養とIPTGによるタンパク質発現誘導
第3回:アフィニティークロマトグラフィーを用いたタンパク質精製
第4回:SDS-PAGEとCBB染色
第5回:タンパク質の定量とデータのまとめ

[酵素活性の測定と解析]
第1回:注意事項と実験操作の説明 
第2回:緩衝液の調整
第3回:検量線の作製と活性の測定(基本)
第4回:活性の測定(応用)
第5回: データのまとめと追加実験

【学習の方法】
・受講のあり方
実験およびレポート作成は,積極的かつ主体的な姿勢を望みます。自分の「手」を使って実験結果を得るように心掛けてください。実験ノートに
は、得られた結果だけでなく,実験過程で気付いた点についても詳細に記録するようにしてください。不注意に扱うと危険な操作や物質がありますので十分な注意を払って実験をしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
配布資料をよく読み,不明な点は,実験開始前にあらかじめ調べておくこと。また,各実験の終了後,実験結果を整理していない学生が毎年見受けられます。各実験が終了したらまとめるようにし,不明な点は必ず調べて解決するようにしてください。

【成績の評価】
・基準
1)実験の目的と方法を理解した上で、共同研究者と協力して実験を実施できる。
2)得られた実験結果について解析と考察を行い、実験レポートとして自らまとめることが出来る。
・方法
主として実験レポートおよび試験で評価します(70%)。また、実験に主体的に取り組む姿勢/意欲を実験中の演習、口頭質問などで評価します(平常点: 30%)。無断欠席の場合,評価の対象としないことがあるので注意してください。

【テキスト・参考書】
実験に関する資料は適宜配布します。 D.Voet, J.G.Voet,C.W.Pratt 著「ヴォ-ト基礎生化学」(第4版)田宮・村松・八木・遠藤 訳(東京化学同人)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義で学んだ知識を確認し,活用するためにも実験は重要です。休まずに頑張りましょう。化学実験の基本技術の習得はもちろんですが,自分たちが行う実験によって現象が解き明かされていくことのすばらしさを積極的に学ぶことを希望します。
本実験では遺伝子組換え実験を含みます。遺伝子組換え生物が実験室から漏洩しないように安全に実施する必要があります。そのために、2週目終了時に確認試験を実施します。

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