【授業の目的】
自然科学、情報科学、数理工学が扱う多くの問題には、非連続的、かつ離散的な構造を持つものが多い。こうした構造を扱うためには、連続体を扱う手法とは本質的に異なる数理科学的方法論を学ぶ必要がある。 本講義では、そうした離散的な構造を扱う際に必要となる数学の基礎について学ぶ。 離散数学が扱う広大な分野の中から、現代情報科学を学ぶ上で必要不可欠な概念をわかりやすく解説する。
【授業の到達目標】
現代の情報科学・計算機科学の根幹を支える、有限的・離散的な構造を扱う数学のことを離散数学という。 この講義では、離散数学の広い分野の中から、現代情報科学・計算機科学を学ぶ上で必要不可欠なテーマを絞り、それぞれのトピックについてわかりやすく解説する。
【授業概要(キーワード)】
数学的帰納法、同値関係、論理、束、置換、包除原理、グラフ、マトロイド
【科目の位置付け】
専門科目
【授業計画】
・授業の方法
授業は講義形式で行うが、能動的学習を促すため、各回につき、講義内容の理解に必要な演習問題を学生に解かせる時間を設ける。
・日程
第1回:集合の記法と演算 第2回:有限集合・無限集合 第3回:全射・単射・逆写像・合成写像 第4回:集合の濃度 第5回:同値関係・順序関係 第6回:無向グラフ・有向グラフ 第7回:命題論理 第8回:述語論理 第9回:推論と証明 第10回:組合せと順列 第11回:鳩ノ巣原理・包含と排除の原理 第12回:半順序集合の一般的性質 第13回:束の一般的性質 第14回:モジュラ束・分配束・ブール束 第15回:種々の束の禁止部分束による特徴付け
【学習の方法】
・受講のあり方
授業中理解できなかったところはそのままにせず、授業後に質問などを行い、理解の捕捉に努めること。
・授業時間外学習へのアドバイス
特に必要ないが、授業中に紹介される参考書を読み進んでおくと授業の理解が進み、効果的である。 講義のノートや、授業中に紹介する参考書などを利用して、理解が浅いと思われる箇所をフォローしておくとよい。
【成績の評価】
・基準
期末試験と授業中に実施する演習の得点を合算して評価得点を算出し,それをもとに評価を決定します.
・方法
期末試験 60% 授業中に実施する演習 40%
【テキスト・参考書】
授業の初日と、その後の進展に沿って数種類の本を紹介する。 参考書:松原・大島・藤田 他著「IT Text 離散数学」オーム社 参考書:榎本彦衛 著 「情報数学入門」新曜社 参考書:斎藤伸自・西関隆夫・千葉則茂 著 「離散数学」朝倉書店 参考書:田中尚夫 著 「計算論理入門」裳華房
【その他】
・オフィス・アワー
前期 木曜日 14時40分以降 後期 水曜日 16時20分以降
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