【授業の目的】
病気の原因を染色体・遺伝子からとらえて、どのように染色体・遺伝子の異常が起こるのか、その異常がどのように病態へとつながるのか、分子メカニズムを思考し理解するための基礎知識と見方・考え方を身につけることを目的とする。
【授業の到達目標】
① 単一遺伝子疾患の遺伝形式を説明し、代表的な疾患を列挙できる。 ② 染色体異常による疾患で主なものを挙げ、概説できる。 ③ ミトコンドリア遺伝子の変異による疾患を挙げ、概説できる。 ④ エピゲノムの機序及び関連する疾患を概説できる。 ⑤ 多因子疾患における遺伝要因と環境要因の関係を概説できる。 ⑥ 薬剤の有効性や安全性とゲノムと多様性との関係を概説できる。 ⑦ 遺伝的背景の違いに基づく日本人と諸外国人との疾患発症率の相違を説明できる。 ⑧ 疾患に関連するゲノム・遺伝子研究の最新の情報を収集できる。
【授業概要(キーワード)】
染色体異常、遺伝子変異、分子病態
【科目の位置付け】
疾患の原因と病態を理解することにより、診断と治療の基盤につながることを学ぶ。 <山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)> 2. 医学知識と問題対応能力(基礎医学) 8. 科学的探求(リサーチマインド、課題発見と問題解決) 9. 生涯にわたって共に学ぶ姿勢(自己研鑽) <医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)> C-4-1 遺伝的多様性と疾患
【授業計画】
・授業の方法
講義:資料を配布し、パワーポイントを用いた講義を行う。
・日程
講義時間 平成30年 9月13日〜11月29日 木曜日 10:20〜12:00(予定) 9月13日 遺伝子疾患の概念 9月20日 遺伝子疾患の分子機構 9月27日 遺伝子変異の機構 10月 4日 単一遺伝子疾患(1) 10月11日 単一遺伝子疾患(2) 10月18日 単一遺伝子疾患(3) 10月25日 多因子病(1) 11月 1日 多因子病(2) 11月 8日 染色体異常による疾患 11月15日 ミトコンドリア病 11月22日 体細胞遺伝子病 11月29日 まとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
テキストに沿って講義を行うので、テキストを購入し本文に線を引くなどして活用する。 配布資料にはパワーポイントの概要を転載するので、講義内容、興味を持った点、疑問に思った点などをメモして理解に努める。 講義中に疑問に思った点は積極的に教員に質問する。
・授業時間外学習へのアドバイス
あらかじめ講義項目についてテキストに目を通し、理解できる点、理解できない点を明確にしておく。 受講した内容について教科書・配布資料を見返すと共に、MEDLINE (PubMed)や医学中央雑誌などで最新の情報を収集する。
【成績の評価】
・基準
単一遺伝子疾患の原因遺伝子、遺伝形式、発症の分子機序を正しく挙げられることを合格の基準とする。 多因子病、染色体異常、ミトコンドリア遺伝子の変異、エピゲノムに関連する疾患を列挙・概説できることを合格の基準とする。
・方法
筆記試験の成績で合否を判定する。ただし、病理病態学を担当する2講座の試験の合計点数が100点満点の60点以上を合格とするが、当講座担当分の試験点数が60%に達しない場合は不合格とする。 再試験は1回のみ行う。
【テキスト・参考書】
テキスト:一瀬白帝、鈴木宏治 編著「図説 分子病態学(第5版)」中外医学社 参考書:中村桂子 他監訳 「細胞の分子生物学」教育社
【その他】
・学生へのメッセージ
1年次に学んだ基礎医学の内容を疾患の原因・発症機序・治療へとつなげていく講義です。また、日々刻々と研究が進展している分野ですので、常に新しい情報を求めていく姿勢が望まれます。
・オフィス・アワー
随時対応可能
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