【授業の目的】
本授業の主題「多文化共生」をめぐる様々な争点について、英語圏での事例を用いて多角的に検討し、異文化理解のための基本的視座と方法を学ぶ。
【授業の到達目標】
到達目標は以下の通り: (1)授業で学んだ英語圏世界の歴史、社会、文化に関する基本的な内容と、文化的多様性を踏まえた異文化コミュニケーションの現状ならびに課題を理解している。 (2)相互に異なる文化的背景を持つ人々の交流の経緯と現状を、英語圏世界の事例を中心として学び、また、そうした学びを通じて文化の多様性を追体験し、異文化交流の意義について理解している。 (3)授業で学んだ視座と方法を、様々な文化的事象に適用して考察し、期末試験の答案を作成できるようになる。
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。
【授業計画】
・授業の方法
毎回の授業は講義が中心となる。授業後に質問票を配り、質問や異論などを聴取しつつ講義に関する受講者の理解度を確認する。次の授業で前回出た質問に回答しつつ、また講義に戻る、といった形式で進めていく。
・日程
第1回:「多文化共生」の諸問題ー序論として 第2回:多文化共生とシティズンシップーアメリカ、イギリス、日本 第3回:多文化社会における文化権ーアメリカ先住民をめぐって 第4回:多文化共生とセクシュアリティ―欧米と日本 第5回:イギリスにおける多文化共生と性的マイノリティの歴史ー『ウォルフェンデン報告書』の意義 第6回:現代イギリスにおける多文化共生と性的マイノリティの現在―「修正28条」をめぐる攻防 第7回:多文化社会と移民ーアメリカv.s.日本 第8回:「同化」と多文化共生ーアメリカ移民史をめぐって 第9回:アメリカの反移民主義―ネイティヴィストの主張 第10回:マルティカルチュラリストの反撃ー60年代以降のアメリカ 第11回:ナショナリストの言論ー9.11以降のアメリカ 第12回:文化的多様性と社会的統ー可能性としてのリベラルナショナリズム 第13回:文化的他者としてのイスラームーイギリスv.s.日本 第14回:イギリスのヴェール論争ー争点と課題 第15回:まとめー多文化共生は可能か? &期末試験
【学習の方法】
・受講のあり方
担当教員は学生からの積極的かつ論理的な質問や意見を求めているので、その点によく留意して質問票に記入すること。授業中に各教員から配付される資料を参考にしつつ、重要事項をノートにとること。授業の前後やオフィス・アワーでの質問を歓迎する。
・授業時間外学習へのアドバイス
知識を定着させるために授業資料を見直し、また授業中に紹介された本を読む、情報を調べるなどして、理解をさらに深めてください。
【成績の評価】
・基準
評価にあたっては、まず以下の3点を重視する: (1)授業で学んだ英語圏世界の歴史、社会、文化に関する基本的な内容と、文化的多様性を踏まえた異文化コミュニケーションの現状ならびに課題を理解できているか。 (2)英語圏世界の事例を中心とした、相互に異なる文化的背景を持つ人々の交流の経緯と現状を理解できているか。また、文化の多様性と異文化交流の意義について理解できているか。 (3)授業で学んだ視座と方法を、様々な文化的事象に適用して考察し、期末試験の答案を作成できているか。 上記の3点に関して、本学部のガイドラインである、「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文章表現力)」の4つの基準で成績評価をおこない、合計で最低6割の得点率をもって合格と判断する。
・方法
授業参加状況(質問票の記入内容についての評価を含む):50点、期末試験:50点
【テキスト・参考書】
・ウィル・キムリッカ『多文化時代の市民権―マイノリティの権利と自由主義』 (晃洋書房、1998年) ・樽本英樹『よくわかる国際社会学(やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)』(ミネルヴァ書房、2009年)。 ・クリスチャン ヨプケ 『ヴェール論争―リベラリズムの試練』(法政大学出版局、2015年)
【その他】
・オフィス・アワー
原則として月&水曜の昼休みとするが、これに限らず研究室に在室時は随時対応する。長時間の面談を希望する者は、事前にメールで予約すること。(メルアドは初回授業にて知らせる。)
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