【授業の目的】
歴史的思考力、地理的技能・見方や考え方、人間としての在り方や生き方など、中学校社会科の意義と目的及び各分野の特質と相互関連性を理解し、社会科の究極のねらいである「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎」を育成することについて考え、その授業づくりのための基礎的力量を身に付けることを到達目標とする。
【授業の到達目標】
中学校社会科の歴史的分野、地理的分野、公民的分野を扱う。それぞれの科目の特質と科目相互の関連性について理解し、日本の社会科の特質と課題について考え、学習指導要領や教科書の内容構成の分析、授業事例の検討、指導案の作成、模擬授業を行う。
【授業概要(キーワード)】
社会科カリキュラム、社会科授業づくり
【授業計画】
・授業の方法
講義式(グループ活動及び討論)
・日程
第1回: オリエンテーション/講義のねらい及び進め方についての説明 *課題: どのような社会科教員になりたいのか?(ミニレポート) 第2回: 教科としての「社会科」の変遷の歴史について 第3回: 韓国や中国の社会科カリキュラムについて(日本の社会科の特質と課題を知る) 第4回: 歴史的分野の目標及び内容構成について(学習指導要領と教科書) 第5回: 歴史実践①「朝鮮時代・江戸時代の漂流民」の分析と討論 第6回: 歴史学習②『最初の朝鮮通信使:李藝』(DVD)の鑑賞と意見交換 第7回: 地理的分野の目標及び内容構成について(学習指導要領と教科書) 第8回: 地理実践①「食」から見る東アジア交流史-昆布と唐辛子を例に-の分析と討論 第9回: 地理学習②『館山まるごと博物館』(DVD)の鑑賞と意見交換 第10回: 公民的分野の目標及び内容構成について(学習指導要領と教科書) 第11回: 公民実践①「<在朝日本人二世>旗田巍のアイデンティティとは何であったのか」の分析と討論 * 課題: 『山形県の国際化の現状』(報告書)を入手し、読んでくる。 第12回: 公民学習② 日本語指導が必要な児童生徒の教育支援 『山形県の国際化の現状』(報告書)の検討、グループ活動及び検討内容の発表 第13回: 指導案作成のための指導 * 課題:指導案の作成 第14回: パワーポイントを使用した模擬授業演習① (全員の半数が各自の研究テーマについての発表。人数によって時間調整) 第15回: パワーポイントを使用した模擬授業演習② (残りの半数が各自の研究テーマについての発表。人数によって時間調整) *課題:教材研究の内容と模擬授業を踏まえて修正した指導案の最終版を提出する。 定期試験は実施しない。
【学習の方法】
・受講のあり方
①受講者自らが授業での学習内容を深めていく姿勢を持つことが望まれる。 ②扱う内容について積極的に考え、コメントをよせるなど、授業に積極的な態度で臨むこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
①自分の問題意識をしっかり持ち、教材研究に励み、積極的な姿勢で模擬授業に望むこと。②各内容で紹介された図書を読み、インターネットや図書館を利用するなど、授業で上げられた内容を深めていくこと。
【成績の評価】
・基準
以下の評価の観点に則り、レポート及び発表内容などを中心に、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は、①授業の学習内容を理解し、自分の課題意識をきちんともって自主的に資料を調べることができる。②グループ活動に主体的に、積極的に、意欲的に取り組むことができる。③報告やレポートの作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などができる。
・方法
以下の評価の観点に則り、レポート及び発表内容などを中心に、総合的に評価する。 ・授業の学習内容を理解し、自主的に資料を調べ、指導案作成に意欲的に取り組んだか。(30%) ・発表内容が具体的で、質疑応答の時間に積極的な態度が見られたか。(30%) ・レポートや指導案作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などがみられたか。(40%)
【テキスト・参考書】
【テキスト】・中学校学習指導要領解説 社会編(平成29年6月 文部科学省)・高等学校学習指導要領解説 地理歴史編(平成26年1月 文部科学省) 【参考書】・社会認識教育学会編『中学校社会科教育』(学術図書出版社)・石渡延男・越田稜『世界の歴史教科書-11ヵ国の比較研究』(明石書店)・日本社会科教育学会『社会科教育の今を問い、未来を拓く』(東洋館出版社)
【その他】
・学生へのメッセージ
・どのような中学校や高等学校の社会科教師になりたいのか?これを常に考えつつ、積極的な姿勢で授業に参加して下さい。
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