【授業の目的】
明治以降から第二次世界大戦敗戦までの日本外交史。つまりは今後の日本の外交政策を考えていく上で必要な歴史的知識を得てもらいます。テキストを案内役として、歴史資料(史料)によって事実関係を確認しつつ進んでいくことにより、事実を基にして考える態度もつちかいます。
【授業の到達目標】
日本外交史の基礎的な知識を習得します。また調べて考えた上での自分なりの意見を持てるようになります。自分なりの問題意識を持ち、多角的な視点から歴史を批判的に検討できるようになります。
【授業概要(キーワード)】
日本外交史。近現代史。
【科目の位置付け】
日本外交の歴史を学ぶことで、幅広い知識とともに、外交の当事者や外交相手となった人々の身になって考えてみる(相手の靴を履いてみる)能力を身につける教養科目です。 なお、続いては後期の「日本外交史 戦後(政治学)」の受講が望ましいのは確かですが、本講義単独、あるいは後期分からの受講もokです。
【授業計画】
・授業の方法
授業時間外学習(特に予習)を重視し、授業時はビデオを多用します。 毎回の授業は以下のように進めます。 1)授業冒頭にて各自が自分のフォルダーを受領→前回提出のクイズを取り出す 2)前回への補足 3)講義 4)ビデオ(適宜、中途に口頭による補足を入れます) 5)終了時には各自がクイズをはさんだフォルダーを入れて退室
・日程
第1回:講義ガイダンスと「失敗学」入門、提出フォルダーの作成 第2~4回:開国までの日本の対外関係 第5~7回:不平等条約改正から日露戦争まで 第8~10回:植民地朝鮮、第一次世界大戦後の戦間期外交 第11~15回:満州事変から敗戦まで 第16回 期末試験
【学習の方法】
・受講のあり方
予習(クイズへの事前解答)で確認した自分の知識、イメージが何から生じていたのか、また、その修正がなぜ必要なのか、何を根拠に修正すべきなのかを常に確認しながら学習していくように。それらの思考の跡は、適宜、クイズやレジメの余白に記入していくようが望ましい。 なおWebClass利用は必須です。
・授業時間外学習へのアドバイス
◇予習:WebClassから予習クイズ&レジメをダウンロード→A4判用紙4枚(片面印刷時)または2枚(両面印刷時)に印刷したのち、予習クイズに勘で解答する(勘で○つけ=事前知識チェック)をおこなう。次に予習クイズ&レジメに該当する範囲のハンドブック掲載史料を読み、下調べをおこなう。さらに余裕があれば、WebClass掲載の正答と解説を読んで、勘で○つけの○が誤っていた場合はその○を“見せ消し”として正答に○を追加する。 ◇復習:授業時の説明やWebClass掲載の正答と解説により予習クイズの○直しをおこなう。自分の疑問点については参考書や事典などをもとにして調べる。関係する参考書を読んだりイベント(講演会や集会など)に参加したり映画やTV番組を視聴した場合には感想票を作成する。また、講義プリントで紹介する他の人の意見・感想にも関心を払う。なお、松本との質疑応答では予習クイズのほかWebClassも活用してください。
【成績の評価】
・基準
(1)正しい知識の修得の度合いと(2)理解の度合いは期末試験にて。(3)主体的な参加の度合いと(4)汎用的技能の修得の度合い(思考力と文章表現力)は予習クイズの解答とコメント欄、そして感想票で計ります。 なお、予習としての予習クイズの解答(勘で○つけ)の正誤は成績には関係しません。ただ、正答がされた設問については松本は青ペンで□マークを付けて返却します。
・方法
◇予習クイズに勘で○つけして事前に提出した場合は(正誤を問わず)2点ずつカウントします(全クイズで30点程度の配点)。つまり予習クイズをその回当日に提出した場合は0点です。 ◇感想票については一つにつき1~2点カウント(上限を10点とします)。 ◇期末試験には60点配点。 このほか特設クイズについても解答があれば1点ずつカウントします。
【テキスト・参考書】
◇テキスト:増田弘ほか編著『新版 日本外交史ハンドブック 第2版』有信堂高文社、2016年、3000円 ◇参考書:(関係イベントやTV番組も含め、講義やWebClassにて多数、随時紹介します) 『平和と人権:やまがたガイド』山形県歴教協ほか、2015年、500円/酒井一臣『はじめて学ぶ日本外交史』昭和堂、2013年、1800円/北岡伸一『日本政治史:外交と権力』有斐閣、2011年、1995円/『年表 昭和・平成史』岩波ブックレット844、2012年、640円/オーテス・ケーリ『真珠湾収容所の捕虜たち』ちくま学芸文庫、2013年、1400円/若槻泰雄『日本の戦争責任 ㊤㊦』小学館ライブラリー、2000年、980円×2。
【その他】
・学生へのメッセージ
この講義では、知識不足はもちろん歓迎ですし、間違えることも推奨します。その間違いを認識し、考えを確かめていくという「試行(思考)錯誤」の過程を重視しますので、ただしテキストや講義プリントを読んで解釈し…と作業量は多いです。基本的に(長文の)読み書き重視ですから覚悟してください。 WebClass経由や授業で配布する配付プリントが半端でなく多いので、整理方法を工夫しましょう。
・オフィス・アワー
金曜日11時~14時。短時間ならこれ以外でも随時来訪可ですが、長くなりそうならWebClassメッセージで予約してください。 ※WebClassメッセージの前に一読を:「松本宛(先生宛)のメールについてのお願い」 http://www-h.yamagata-u.ac.jp/~matumoto/mail.htm
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