【授業の目的】
我々の世界を構成する最も小さい物質とは何でしょうか?例えば、水は水素と酸素という原子という小さい物質で構成されていますが、原子はさらに小さい物質である電子と原子核から構成されます。また、原子核は陽子と中性子から構成され、陽子と中性子はクォークという物質から構成されることが分かっています。ここで電子やクォークはこれ以上分割できない物質で世界を構成する最小構成要素と考えられており、このような物質を素粒子と呼びます。講義では、このような素粒子がどのように発見されていったのか、素粒子の運動を支配する物理法則がどのように発展していったのかを説明します。
【授業の到達目標】
素粒子についての基礎知識を習得できるようになる。 また習得した知識に基づいて、素粒子に関連した現象を説明できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
素粒子、物理
【科目の位置付け】
素粒子物理学の始まりから最新の話題を学習することによって、健全な良識ある市民として生きるための豊かな教養を養成する。
【授業計画】
・授業の方法
スライドと板書で授業をすすめるので、それらをノートに取りながら理解をするようにして下さい。また、適宜課題をやってもらいます。
・日程
第1回 ガイダンスと講義の進め方 第2回 導入、ギリシャ哲学と原子、化学の発展と原子説 第3~4回 電子の発見と原子の構造の解明 第5~6回 様々な素粒子の発見とそれらの観測実験 第7~8回 素粒子の運動を記述する物理法則ー標準模型 第9回 ニュートリノの観測と理論 第10〜11回 標準模型を超えた物理理論 第12回 素粒子物理学の応用ー天然原子炉 第13回 素粒子物理学の応用ー地球ニュートリノ 第14回 素粒子物理学の応用ー素粒子を用いた透視化技術 第15回 まとめ
授業の進行状況に応じて内容が変更される可能性があります。
【学習の方法】
・受講のあり方
講義で説明されることを単に暗記するのではなく、自分なりの理解をするようにして下さい。最終的には他者に説明できるぐらい整理できるようにして下さい。
・授業時間外学習へのアドバイス
素粒子についての一般書は多くあるので、それらを読んで授業の内容をより深く理解することを薦めます。参考となる図書は授業中に適宜紹介します。
【成績の評価】
・基準
素粒子物理学の基本的な内容について理解し、他者に説明できることを合格の基準とします。
・方法
授業中に行う課題(80%)とレポート(20%)の合計で評価します。
【テキスト・参考書】
特定のテキストは使用しません。参考となる図書などは授業中に適宜紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
素粒子物理学は基礎科学の一分野です。授業でその一端触れることで基礎科学の面白さを実感してもらえればと思います。
・オフィス・アワー
研究室に在室している時間に随時。ただし、不定期に出張などで不在の時があるので、メールでアポイントを取ってから質問に来ることを勧めます。連絡先は授業中にお知らせします。
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