【授業の目的】
機械システムの動力学モデルと解析および制御手法について学ぶ.制御問題の設定方法,安定性,フィードバック制御の各種手法について,その考え方を具体例をとおして解説する.
【授業の到達目標】
機械システムを物理モデルと数式モデルで定式化(モデル化)する方法について理解し,制御目的に応じて適切なモデル化方法を選べること. モデル特性と設計要求にもとづき,適切な制御手法を選べること. 機械技術者として機械システムの制御手法を調査し学習してゆくための基本的な数学的方法を身につける.
【授業概要(キーワード)】
古典制御理論,現代制御理論,線形システム,非線形システム,伝達関数,状態方程式,システムの安定性,ロボット制御
【科目の位置付け】
本講義の内容は,システムの解析および制御系の設計法からなる.機械システム工学専攻博士前期課程の専門基盤科目である.
【授業計画】
・授業の方法
スライドと自作テキストを使った講義を90分×15回実施する.
・日程
第1週 機械システムの数式モデル 第2週 状態方程式によるシステムの記述 第3週 線形システムの安定性 第4週 可制御性・可観測性 第5週 状態フィードバックによる極配置法 第6週 最適レギュレータ 第7週 適応制御・ロバスト制御 第8週 いろいろな力学系 第9週 線形近似による状態フィードバック制御 第10週 安定性の種類・平衡点の安定性 第11週 運動エネルギーとリアプノフ関数 第12週 座標の選び方とラグランジェの運動方程式 第13週 フィードバックによる線形化制御 第14週 ロボットの関節サーボ制御 第15週 拘束を受けるロボットの運動と制御
【学習の方法】
・受講のあり方
制御工学を履修済みであることを前提とする. 不安のある場合は,復習して講義に臨むこと. 講義はスライドと自作テキストによって実施する. 講義中は例題を解くことで理論の理解に努めること. 数回の小レポートと1回の期末レポートを課す.
・授業時間外学習へのアドバイス
講義の内容は特定の教科書によらず多岐にわたる.下記の参考書やその他の関連図書,論文調査によって自ら講義内容を補足すること.
【成績の評価】
・基準
非線形,離散時間系を含む実システムのモデル化と解析手法に関して理解し,制御理論との関連性を議論できることを基準とする.
・方法
数回の小レポートと1回の期末レポートを課す. レポートはOctave(Matlab)等のソフトウェアを使用しても良い. その場合はソースコードと実行例も添付すること. 小レポート(合計50点)と期末レポート(50点)で判定する. 60点以上が合格である.
【テキスト・参考書】
テキスト: なし 参考書: 森:制御工学,コロナ社 近藤,藤井:制御工学,オーム社 吉川,井村:現代制御理論 野波,西村:MATLABによる制御理論の基礎,東京電機大学出版局 池田,藤崎:多変数システム制御,コロナ社 吉川:ロボット制御基礎論,コロナ社 平山:Excelで試す非線形力学,コロナ社
【その他】
・学生へのメッセージ
制御工学を履修済みであることを前提とする. 不安のある場合は,復習して講義に臨むこと.
・オフィス・アワー
金曜日16:30~17:30
|