材料システム学特論
 Advanced Materials System
 担当教員:上原 拓也(UEHARA Takuya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
機械・構造物を構成する材料の物理的・力学的特性を熱力学的な観点から講義する。特に,結晶構造,転位,結晶粒界といった原子スケールの構造や欠陥および微視組織について,材料内部のエネルギー状態に基づいて解説するとともに,マクロ特性との関連について論じる。また,計算機シミュレーションを利用した材料特性評価についても解説し,プログラミングの実例も紹介する。

【授業の到達目標】
(1)金属材料の原子間力や結晶構造を正しく記述できる.(2)金属材料の微視的特徴を正しくとらえ,説明できる.(3)材料の物理的・力学的特性の発現原理を,微視的特徴に関連づけて説明できる.(4)材料特性を再現する計算機シミュレーションの手法について正しく理解し,実践できる.

【授業概要(キーワード)】
原子間力,結晶構造,微視組織,熱力学,計算機シミュレーション

【科目の位置付け】
材料科学と材料力学,ミクロ特性とマクロ特性を結びつける科目である.

【授業計画】
・授業の方法
90分の講義を15回行う.
前半は講義形式,後半は実習課題を含む講義とする.
・日程
第1回:「材料システム学」の概要
第2回:金属材料の微視的性質(1)原子間力と結晶構造
第3回:金属材料の微視的性質(2)単結晶と多結晶
第4回:金属材料の微視組織(1)相変態と平衡状態図
第5回:金属材料の微視組織(2)熱処理と組織変化
第6回:金属材料の力学特性と微視組織(1)単結晶の力学特性
第7回:金属材料の力学特性と微視組織(2)多結晶の力学特性
第8回:材料系の自由エネルギー論(1)熱力学的エネルギー
第9回:材料系の自由エネルギー論(2)ひずみエネルギー
第10回:ここまでのまとめと中間試験
第11回:材料系の計算機シミュレーション(1)プログラミングの基礎
第12回:材料系の計算機シミュレーション(2)ナノスケール解析
第13回:材料系の計算機シミュレーション(3)マイクロスケール解析
第14回:材料系の計算機シミュレーション(4)マルチスケール解析
第15回:まとめと期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
講義に出席するだけでなく,復習を欠かさず,積極的に取り組むこと.
・授業時間外学習へのアドバイス
講義ノートを復習し,不明な点は自分で調べて解決するように心がけること.また,参考となる図書を探し,例題や演習問題を解いてみること.自分の研究課題に関連づけて考え,意欲的に学習すること.

【成績の評価】
・基準
材料システムに関する概念や用語について正しく理解し,説明できること.また,材料特性に関する計算機シミュレーションの手法を理解し,実践できること.
・方法
100点満点のうち,材料システムに関する筆記試験を60点,計算機シミュレーションに関するレポートを40点とし,合計点が60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
講義内で紹介する.

【その他】
・学生へのメッセージ
材料のもつ特徴やその発現メカニズムに関して,つねに意識をもち,考えるくせをつけてほしい.
・オフィス・アワー
木曜16:00-17:00

59100114-2018-15-56831