数学特別講義B
 Current Topics in Mathematics B
 担当教員:瀬戸 道生(SETO Michio)
 担当教員の所属:理学部非常勤講師
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理工学研究科(理学系)博士前期課程  科目区分:分野専門科目(数学分野) 
【授業の目的】
この講義の目的は次の二つです。
1.この講義で解説するテーマを通じて、これまでに学んできた線型代数、複素解析、実解析、
関数解析を復習するだけでなく、それらの相互関係を理解すること。
2.進んだ話題で紹介するテーマにより、理論と応用の両面で最先端の数学に触れること。


【授業の到達目標】
1.ヒルベルト空間との関連を意識しつつ、フーリエ級数の基本的な計算ができること。
2.ハーディ空間の基礎概念を理解し、簡単な例における計算ができること。
3.再生核ヒルベルト空間の基礎概念を理解し、簡単な例における計算ができること。
4.機械学習で重要なカーネル法の数学的仕組みを理解すること。


【授業概要(キーワード)】
フーリエ級数、ヒルベルト空間、ハーディ空間、再生核ヒルベルト空間、カーネル法

【科目の位置付け】
この講義は、カリキュラム・ポリシーにある「専門分野における深化した知識の修得」に関連する。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で行う。 演習も適宜行う。
・日程
次のように進める:
第1回:イントロダクション
第2回:フーリエ級数1(L^2 の幾何)
第3回:フーリエ級数2(収束に関する問題)
第4回:フーリエ級数3(L^2 空間の導入)
第5回:ヒルベルト空間1(定義と例)
第6回:ヒルベルト空間2(リースの表現定理)
第7回:ハーディ空間1(ポアソン核)
第8回:ハーディ空間2(基本的な性質)
第9回:ハーディ空間3(ハーディ空間上の作用素)
第10回:再生核ヒルベルト空間1(定義と基本的な性質)
第11回:再生核ヒルベルト空間2(核関数)
第12回:再生核ヒルベルト空間3(アロンシャインの理論)
第13回:進んだ話題1(カーネル法入門)
第14回:進んだ話題2(ピックの補間問題)
第15回:進んだ話題3(レーヴナーの理論)


【学習の方法】
・受講のあり方
講義の内容をノートに筆記するなどにより、内容の理解に努めてください。
演習には積極的に参加してください。 どんな質問も歓迎です。
・授業時間外学習へのアドバイス
理解の助けとなるような宿題を準備するので積極的に取り組んでください。
また、講義ノートを配布するので活用してください。 

【成績の評価】
・基準
到達目標に応じた演習問題を解いてもらい、その出来で評価します。
・方法
平常点30点+演習20点+レポート50点
(受講者数に応じて演習の配点が変更されることもあります)


【テキスト・参考書】
以下の書籍を参考に作成した講義ノートを配布します。
1. J. Agler and J. E. McCarthy, Pick Interpolation and Hilbert Function Spaces, Graduate Studies in Mathematics Volume 44, American Mathematical Society.
2. H. Dym and H. P. Mckean, Fouirer Series and Integrals, Academic Press.
3. 福水健次,カーネル法入門,朝倉書店.
4. V. I. Paulsen and M. Raghupathi, An Introduction to the Theory of Reproducing Kernel Hilbert Spaces, Cambridge Studies in Advanced Mathematics.
5. W. Rudin, Real and Complex Analysis, Third Edition, McGraw-Hill Book Co.
6. 斎藤三郎,再生核の理論入門,牧野書店.

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