【授業の目的】
東洋医学の概念および診断と治療 ①西洋医学とは異なる漢方の考え方を知り興味を持つ。 ②東洋医学的思考を通して漢方医学の診断・治療への流れを理解する。 ③漢方医学の臨床応用(EBMに基づく和漢薬の使用を含む)について理解する。
【授業の到達目標】
医学教育モデル・コアカリキュラムに準拠し、和漢薬(漢方薬)の特徴や使用の現状について概説できること。
【授業概要(キーワード)】
西洋医学と東洋医学、漢方、和漢薬
【科目の位置付け】
漢方東洋医学は、時に「代替医療」と誤解されることもあったが、現在では実際の臨床現場で保険診療として用いられることも多い。西洋医学とは全く考え方を異にする漢方東洋医学の基礎を学ぶことで、両方の医学を比較しながら疾患の病態と治療の考え方をより深く理解することが可能となる。そのため、西洋医学的な知識の獲得が終了しつつあるこの時期に本科目を開講する。
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)> 1.プロフェッショナリズム(1)(2)(4)(5)(6) 2.医学知識と問題対応能力(1)(3)(4) 3.診療技能と患者ケア(1)(2)(3)(4)(5)(7)(8) 4.コミュニケーション能力(1)(2)(3)(4) 5.チーム医療の実践(2) 6.医療の質と安全の管理(2)(3) 7.社会における医療の実践(1)(2)(5)(6) 8.科学的探究(1)(2)(3) 9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢(1)(2)(3)(4)
<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)> F-2-8) ⑬漢方医学の特徴や、主な和漢薬(漢方薬)の適応、薬理作用を概説できる。
【授業計画】
・授業の方法
○外部講師による漢方東洋医学の基礎理論について概説する。また講演会を開催する予定。 ○診断実技や煎じ薬実演を通して漢方医学を体験する。 ○漢方医学の診断や治療、実際の臨床現場での応用について概説する。
・日程
7月4日(火)5~8校時 7月5日(水)5~8校時 7月6日(木)5~8校時 7月7日(金)5~8校時 詳しい内容は、後日掲示する。
【学習の方法】
・受講のあり方
西洋医学と異なる漢方東洋医学の体系・特性を理解し、両者は共存可能あるいは相補的なものとして学習することが望ましい。
・授業時間外学習へのアドバイス
興味のある方は、テキストの内容をさらっと見ておくと良い。 テキストおよび講師のレジメを活用して欲しい。
【成績の評価】
・基準
毎回の授業出席状況とレポート(アンケート形式)により評価する。
・方法
毎回の授業出席状況とレポート(アンケート形式)により評価する。
【テキスト・参考書】
「入門漢方医学」日本東洋医学会学術教育委員会 編集 (南江堂) 「症例から学ぶ和漢診療学」 寺澤 捷年 (医学書院) 「絵でみる和漢診療学」 寺澤 捷年 (医学書院) 「漢方治療のレッスン」 花輪 壽彦 (金原出版) 「漢方治療ハンドブック」 佐藤 弘 (南江堂) 「漢方治療のファーストステップ」 松田 邦夫・稲木 一元 (南江堂) 「新装版 漢方医学」 大塚 敬節 (創元社)
【その他】
・学生へのメッセージ
器官・細胞レベルの機能的・構造的異常を疾患として定義し、その機序を分子・遺伝子レベルで分析的に解明し進歩してきた西洋医学と違って、漢方医学は全く異なる生命観に立って病気を認識しており、気血水(きけつすい)というエネルギーや体液の流れの異常が病気であると考えている。その妙に触れて欲しい。一部の漢方薬ではエビデンスも確立されつつある。
・オフィス・アワー
<山形大学で教えていること> 漢方薬の特徴、適応、薬理作用の概説だけでなく、第一線の病院・診療所で東洋医学診療を行っている先生方からの実践的な講義を中心にしている。
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