林業経済学
 Forest Economics
 担当教員:小川 三四郎(OGAWA Sanshiro)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科森林科学コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
森林・林業、山村、環境問題について、生産活動に従事する人間労働の観点から分析し、その発展的展望を切り開く道を考察します。これら諸問題の分析に必要な経済学の基礎について講述します。

【授業の到達目標】
・森林・林業、山村、環境問題を研究するにあたって必要な経済学の基礎知識を構造的に習得し、経済学の原理と法則について説明できる。【知識・理解】
・学生の身近な問題であるアルバイトの低賃金や将来の就職後の労働条件などの日常的な雇用問題について、働く者の立場から理解する能力を身につけ議論できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
森林・林業問題、山村問題、環境問題、労働問題、生産活動、生活様式、非木材林産物、伝統的林野利用

【科目の位置付け】
森林科学コースのディプロマ・ポリシーのうち、「人類の叡智と自然及び社会の多様性に関心を持ち、洞察力をもって主体的、自律的に学び続けることができる。」、「健全な批判精神を持つ良識ある市民としての倫理観と責任感を持っている。」、「地域から世界的規模にいたるまで、変化する社会の諸問題を他者との議論を通して協働的に解決しようとする姿勢を持っている。」、「自分が生きている社会の現状を認識し、それをもとに問題点を判断し、改善に向けた行動ができる。」を習得するための科目です。
また、食農環境マネジメント学コースのディプロマ・ポリシーのうち、「人類の叡智と多様性に関心を持ち、洞察力をもって主体的、自律的に学び続けることができる。」、「健全な批判精神を持つ良識ある市民としての倫理観と責任感を持っている。」、「変化する社会の諸問題に他者と協働的に挑戦し、地域から世界へ羽ばたく勇気がある。」、「自分がどのような社会状況の中で生きているかを認識し、それをもとに判断し、行動できる。」を習得するための科目です。

【授業計画】
・授業の方法
講義形式で進めます。また、「児童労働問題」、「モダンタイムス」等の動画を鑑賞し、その論評に関するレポート提出があります。提出されたレポートに関して講義時に全体的なコメントをします。
・日程
1.はじめに(第1回)
2.科学的な社会観=歴史観
1)唯物論と社会科学(第2回)
2)社会と歴史(第3回)
3.資本主義的生産の仕組み(第4、5、6回)
4.資本主義の発展と諸矛盾の深化(第7、8、9回)
5.現代の資本主義と林業・山村・環境問題
1)林業問題と経済学(第10、11回)
2)山村問題の経済学(第12回)
3)環境問題の経済学(第13回)
6.林業・山村・環境問題と解決の主体(第14回)
7.まとめと試験(第15回)
 なお、以上は予定であり、変更する場合もあります。

【学習の方法】
・受講のあり方
講義ではパワーポイントを板書と同様の位置づけで使用します。聴いた内容の要点をまとめてメモをとるようにしてください。不明な点は、講義時間中や、その前後に質問をするようにしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
必ず事前に教科書をよく読んだ上で講義に臨んで下さい。講義後にも再度、教科書を読み直して下さい。講義前後に繰り返し教科書を理解できるまで何度も読みこなして下さい。予習・復習を行わないと講義が分からなくなります。講義時に配付した資料も必ず読み返しておく必要があります。また、森林・林業・山村(川上)から製材(川中)および住宅市場(川下)を対象とする経済政策学を体系的に理解するためには、「住宅市場論」、「森林組合論」、「森林資源政策学演習」も併行して受講することが望ましいです。

【成績の評価】
・基準
森林・林業、山村、環境問題を研究するにあたって必要な経済学の基礎知識を構造的に習得し、経済学の原理と法則について説明できること、また、日常的な雇用問題について、働く者の立場から理解し説明できることを合格の基準とします。
・方法
・受講希望者は、受講の抱負等について、A4サイズ用紙1枚(横書き・800字以上)をあらかじめまとめて、第1回目の講義時に必ず提出して下さい。
・講義全体を通じて、出席(2/3以上)、レポート提出を満たした場合に、最終講義時の試験を受験することができます。
・100点満点とし、試験(50%)、レポート(30%)、出席状況等(20%)を総合的に判断し、60点以上を合格とします。レポートは経済学に関する課題内容として講義時に説明します。

【テキスト・参考書】
【テキスト】
1.労働者教育協会編『新・働くものの学習基礎講座2 経済学』学習の友社、1998
2.配付資料(経済学、労働問題、農林業の動向に関する資料)
【参考書】
1.「資本論」新日本出版社(全13分冊)
2.小西 悟訳 ゲーテ「ファウスト」本の泉社
3.平川祐弘訳 ダンテ「神曲 地獄篇・煉獄篇・天国篇」河出文庫
4.浜林正夫「世界史再入門 歴史のながれと日本の位置を見直す」講談社学術文庫
5.内橋克人「経済学は誰のためにあるのか―市場原理至上主義批判―」岩波書店
6.石見 尚・野村かつ子「WTO-シアトル以降 下からのグローバリゼーション」緑風出版
7.筒井晴彦「働くルールの国際比較」学習の友社
8.小川三四郎「森林組合論-地域協同組合運動の展開と課題」日本林業調査会

【その他】
・学生へのメッセージ
社会科学の学習は講義とともに独習が原則です。独習の基礎は読書です。広くかつ深く読書することを切望します。また、「住宅市場論」、「森林組合論」、「森林資源政策学演習」もあわせてを受講することが望ましいです。
・オフィス・アワー
講義に関して照会が必要な場合には、メール連絡または教員研究室への来室(要事前連絡)により対応します。

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