ストックマネジメント論
 Stock Management for Irrigation and Drainage Facilities
 担当教員:藤井 秀人(FUJII Hideto)
 担当教員の所属:農学部プロジェクト教員(食料生命環境学科水土環境科学コース)
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:食農環境マネジメント学コース  科目区分:食農環境マネジメント学コース選択科目 
【授業の目的】
農業生産に必要不可欠な農業水利施設は,農業生産の基盤であるばかりでなく,湛水被害の軽減などの多面的機能を発揮している膨大な社会資本となっている。しかし,急ピッチで整備が進められてきたこれらの施設は,建設後数十年を経過し,今後,一斉に更新時期を迎えることになる。国の財政事情が切迫する中で,このような事態をどのように打開するのか?そのひとつの鍵となる「ストックマネジメント」の概念を整理し,今後の農業水利施設のマネジメントについて考察する。農業水利施設の役割を理解するとともに,施設を構成する基礎材料であるコンクリートの性質や劣化メカニズムを理解する。

【授業の到達目標】
1)農業水利施設の種類や役割を説明できる.【知識・理解】
2)ストックマネジメントの考え方とその背景を説明できる.【知識・理解】

3)農業水利施設を構成する基礎材料であるコンクリートの性質を説明できる.【知識・理解】
4)コンクリートの劣化の種類とメカニズムを説明できる.【知識・理解】
5)コンクリートの配合計算を行うことができる.【技能】
6)農業水利施設を次世代に継承するための方法論について討議できる.【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
農業水利施設,ストックマネジメント,機能診断,劣化,補修補強

【科目の位置付け】
農業水利施設の役割を理解するとともに,施設を構成する基礎材料であるコンクリートの性質や劣化メカニズムを理解し,農業水利施設を次世代に継承するための方法論について習得する。

【授業計画】
・授業の方法
毎回パワーポイント資料を配布し,講義形式で授業を進める.最終回は一日かけてストックマネジメント事業実施の国営事業の現地見学とコンクリート工場の見学を行う.
・日程
第1回 ガイダンス、ストックマネジメントとは? 背景と現状
第2回 農業水利施設を構成するコンクリートの基礎(1)
第3回 農業水利施設を構成するコンクリートの基礎(2) 配合計算
第4回 農業水利施設を構成するコンクリートの基礎(3) 配合演習
第5回 農業水利施設を構成するコンクリートの基礎(4) コンクリートの劣化
第6回 農業水利施設に求められる性能
第7回 農業水利施設のストックマネジメント 機能診断
第8回 農業水利施設のストックマネジメント 補修補強による機能回復
第9回 農業水利施設の機能保全
第10回 ストックマネジメントの今後の課題
第11~14回 現地見学会
第15回 試験とまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントに示される講義内容は資料横に筆記し鉛筆を動かして理解する。毎回の出席カードで、講義内容への質問や感想を提出してもらう。
・授業時間外学習へのアドバイス
毎回のパワーポイント資料をしっかり復習し、講義のポイントを習得する。

【成績の評価】
・基準
以下を合格基準とする
1)農業水利施設の種類と役割を適切に説明できること.
2)ストックマネジメントの考え方とその背景を適切に説明できること.
3)基礎材料であるコンクリートの性質を適切に説明できること.
4)コンクリートの劣化の種類とメカニズムを適切に説明できること.
5)コンクリートの配合計算を行うことができること.
6)農業水利施設を次世代に継承するための方法論について討議できること.
・方法
期末試験の点数,レポート,現地調査レポート,出席カードにより総合的に判定。

【テキスト・参考書】
参考書:農業水利施設の機能保全の手引き(平成27年5月)
参考書:コンクリートなんでも小事典(土木学会関西支部編 講談社ブルーバックス)

【その他】
・学生へのメッセージ
講義内容に関する質問や感想は毎回提出してもらう出席カードに記載してください。また講義中は配布資料の右側の部分にノートを取り、記憶を高めること。
・オフィス・アワー
原則いつでも大丈夫なので、不明なところがあれば、早めに質問に来ること。

60404190-2019-06-67614