植物における育種の基礎となる項目、遺伝資源、生殖、遺伝、遺伝変異の拡大と選抜に関して解説する。これら育種学の基礎を学んだ上で、イネ・ダイズを例にあげ、育種目標を設定した実際の育種法について解説する。

（１）植物における育種学の基礎的事項を説明することができる【知識。理解】
（２）庄内地方で栽培される作物（イネ・ダイズ）の品種改良の方法について説明することができる【知識・理解】
（３）植物を対象とした育種の基礎的な事項を理解し、作物育種に対して興味を持つことができるようになる【知識・理解】。

品種改良、遺伝資源、遺伝、遺伝子、染色体、ゲノム、交雑育種、突然変異育種、DNAマーカー育種

本講義は、作物や植物資源に関する知識と、それらを研究するための専門的技術を身につけるものである（農学部食料生命環境学科植物機能開発学コースディプルマ・ポリシー）。本講義は、遺伝学の発展科目と位置づけられるため、遺伝学を受講しておくことが望ましい。

講義資料を配布するとともに、パワーポイントを用いた講義形式にて行う。講義中は随時質問を受け付けるが、講義中に配布する質問カードで質疑応答ができるように配慮する。

1. 教員の自己紹介・育種学とは何か？
2. 生物資源の多様性・遺伝資源とは何か？
3. 育種学の基礎①遺伝子と形質発現
4. 育種学の基礎②染色体とゲノム
5. 育種学の基礎③生殖様式・量的形質
6. 変異の拡大①交雑による変異拡大１
7. 前半のまとめ
8. 変異の拡大①交雑による変異拡大２
9. 変異の拡大②突然変異による変異拡大
10. 多収性育種
11. ストレス耐性・耐病性・耐虫性育種
12. 成分・品質育種
13. 特殊操作、DNAマーカーによる育種
14. 後半のまとめ①
15. 後半のまとめ②

植物育種学を理解するにあたり、その基礎となる遺伝学を受講することが望ましい。

配布する講義資料・育種学に関する参考書等によって、授業の復習をすることが望ましい。

植物育種学の基礎的な事項について、適切に説明できることを合格の基準とする。

中間試験（50点）および期末試験（50点）の成績により、講義内容の理解度を評価する。また、授業中に記入する質問・感想の内容によって、授業への積極的な取り組み度合いとして評価に加える場合もある。

・テキスト
講義資料を配布する。
・参考書
植物育種学 第4版 （西尾剛、吉村淳 編） 文永堂出版
基礎植物育種学 （近藤勝彦、丹羽克昌、大橋強 共著）青山社

育種学は、遺伝学、分子生物学、生化学、植物生理学等の基礎的学問分野の理解を基礎として、新たな品種・作物種を創造する応用的学問です。作物の品種改良について興味がある方は、受講してください。

第1回の講義中に連絡をする。また、事前にメールで連絡をすれば、対応可能。
連絡先：thoshino@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp