水理学
 Hydraulics
 担当教員:渡部 徹(WATANABE Toru)
 担当教員の所属:農学部食料生命環境学科水土環境科学コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:水土環境科学コース  科目区分:コース必修科目 
【授業の目的】
水は高きから低きへ流れる。では,どんな速さで流れるのか?どれだけの量の水が流れるのか?そんなことを「理詰め」で説明できるように,力学の法則やそれを応用した水理現象の基礎式に関する知識を得ることを目的とする。

【授業の到達目標】
・水の流れを表現する専門用語(例えばキーワードに挙げたような用語)を説明できる。【知識・理解】
・水理現象の基礎式を使用して,簡単な例題を解くことができる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
静水圧,定常流,等流,乱流と層流,常流と射流,ベルヌーイの定理,運動量保存,管水路,開水路

【科目の位置付け】
・水土環境科学コースのディプロマ・ポリシーのうち,「農業水利施設や農地整備の設計法とともに,社会資本の整備に伴う環境への影響を理解し,環境保全策を検討できる能力」を習得するための科目である。
・「水理学演習」では,この講義で身につけた知識をもとに実際の問題を解く練習を行う。

【授業計画】
・授業の方法
講義は下記テキストの内容に沿って行うが,適宜,理解を助けるための解説を加える。
・日程
主要なテーマと順序は以下の通りとする。
第1回 ガイダンス,水理学に関わる諸量
第2回 静水圧(1)
第3回 静水圧(2)
第4回 静水圧(3)
第5回 水の運動(1)
第6回 水の運動(2)
第7回 水の運動(3)
第8回 中間試験と解説
第9回 管水路の流れ(1)
第10回 管水路の流れ(2)
第11回 管水路の流れ(3)
第12回 開水路の流れ(1)
第13回 開水路の流れ(2)
第14回 開水路の流れ(3)
第15回 期末試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
・下記テキストに沿って講義を進めるが,補足の説明も含めて,板書の内容を書き留め,復習に役立てる。
・不明な点はそのまま放置せずに,その都度質問する。
・授業時間外学習へのアドバイス
・復習のために,講義内容に関連した例題を解いてみてください。例題を解くことにより理解度が数段高まります。
・授業内容の理解には力学(速度,加速度,エネルギー保存則,運動量保存則)の知識が必要なので,必要に応じて「水土環境科学論」で学んだ内容を復習してください。

【成績の評価】
・基準
テキストに掲載されている演習問題と同等レベルの問題が解けることを合格の基準とする。
・方法
・中間試験と期末試験の合計点(100点満点に換算した点数)で60点以上を合格とする。
・講義への出席が2/3(10回)に満たない者は,試験の点数に関わらず不合格とする。遅刻は2回で欠席1回とカウントする。

【テキスト・参考書】
テキスト:「基礎から学ぶ水理学」岡澤宏・中桐貴生編,理工図書
参考書:上記テキストは,内容は易しいのですが,解説が一部不親切です。その不足分を補うには,以下の書籍を読むことをお薦めします。
「水理学入門」真野明・田中仁・風間聡・梅田信,共立出版
講義内容を理解するためには,実際に問題を解くことが一番です。
「水理学演習(上巻・下巻)」椿東一郎・荒木正夫,森北出版
より平易な説明を求める人は,以下の書籍で基礎の基礎から勉強しましょう。
「絵とき水理学」粟津清蔵,オーム社

【その他】
・学生へのメッセージ
水理学の問題は,農工系の公務員試験(国家公務員,地方公務員ともに)には必ず出題されます。この講義で基礎をしっかりと身につけましょう。また,関数電卓を使いますので,各自で用意して下さい。
・オフィス・アワー
・毎日の昼休み12:00~13:00(1号館5階の研究室)。
・出張が多いので,事前にメール(to-ru@tds1.tr.yamagata-u.ac.jp)で連絡しておくことをお勧めします。

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