【授業の目的】
日本の歴史において近代は、それまでの国家・社会のあり方を大きく変容させた時代であると同時に、私たちが生きる現代と密接な関わりをもつ時代です。ゆえに、日本の近代の特徴を知ることは、現代のさまざまな問題を考えるうえでも、極めて重要な意味を持っています。本授業では、日本の近代の歩みを、その時代的特質である中央集権国家と国際化(西洋化)の二つの観点を軸に考察することを通じて、日本近代史に関する基礎的な知識・時代背景の理解を得るとともに、現代のさまざまな問題を歴史的な視点から考えるための思考力を身につけることを目的とします。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、 1)日本近代史に関する基礎的な知識、当時の日本が置かれていた国内・国外の状況について説明することができる【知識・理解】 2)特定の観点から歴史を捉えることができる【態度・習慣】 3)得られた知識・態度を基礎に、自身の考えを述べ、文章に表現することができる【技能】
【授業概要(キーワード)】
日本近代史、中央集権国家、国際化(西洋化)
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
当日配布するレジュメをもとにスライド(パワーポイント)を使用しながら授業を進めます。授業の最後に記入を求めるコメントペーパーにおける質問事項は、次の授業の冒頭で資料として配布し、応答を行います。
・日程
第1回 4月12日(金) はじめに―日本の近代を考える意義 第2回 4月19日(金) 地球規模の国際環境への参入―開国 第3回 4月26日(金) 中央集権国家の成立―廃藩置県 第4回 5月10日(金) 国家建設期の内政―1870年代 第5回 5月17日(金) 国家建設期の外交―1870年代 第6回 5月24日(金) 近代国家確立期の内政―1880年代 第7回 5月31日(金) 近代国家確立期の外交―1880年代 第8回 6月7日(金) 日清戦争期の内政と外交―1890年代 第9回 6月14日(金) 日露戦争期の内政と外交―1900年代 第10回 6月21日(金) 第一次世界大戦期の内政と外交―1910年代 第11回 6月28日(金) 戦間期の内政と外交―1920年代 第12回 7月5日(金) 日中戦争期の内政と外交―1930年代 第13回 7月12日(金) アジア・太平洋戦争期の内政と外交―1940年代 第14回 7月19日(金) 戦前と戦後の連続と非連続―1950年代 第15回 7月26日(金) おわりに―まとめと試験
【学習の方法】
・受講のあり方
講義の内容を丸暗記するのではなく、講義で取り上げた事柄が現代とどのような関わりがあるのかを自分自身で考えながら聴講しましょう。講義の中で質問や意見を求める場合があるので、積極的に自分の意見や問いを発する構えで講義に臨みましょう。
・授業時間外学習へのアドバイス
参考書や日本近代史に関する文献にあらかじめ目を通すことで、疑問点を明瞭にしておくことが望まれます。コメントペーパーで挙げた質問については、各講義で紹介する文献などに当たるなどして、自身で調べる習慣をつけましょう。
【成績の評価】
・基準
期末試験・コメントペーパーにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は1)日本近代史に関する基礎的な知識とおおまかな流れを説明できる。2)日本近代の時代的特質と現代との関連を自分の言葉で説明することができる。3)講義に積極的に参加し、自発的に意見・問いを発し問題解決に結びつけることができる。
・方法
期末試験(70点):授業内容にもとづく論述試験を課します。試験の概要については第14回の授業の際に説明します。 コメントペーパー(30点):各回の授業の最後にコメントペーパーの提出を求め、その内容から授業への参加姿勢を評価します(1回の授業につき2点)。たとえ出席したとしても、コメントペーパーの記述が当日の授業を踏まえたものでなかった場合は点数を与えることができません。 ※授業中に積極的に自身の意見を発言した場合は、その内容と頻度に応じ10点を上限に加点します。
【テキスト・参考書】
テキスト:各回の授業でレジュメを配布します。 参考書:成田龍一『近現代日本史と歴史学 書き替えられてきた過去』(中央公論新社、2012年)860円+税 小風秀雅編『大学の日本史 教養から考える歴史へ 4近代』(山川出版社、2016年)1800円+税
【その他】
・学生へのメッセージ
高校で日本史を学んでいない学生にも理解できる講義を目指します。
・オフィス・アワー
月曜日 11時30分~13時30分 小幡研究室 上記時間外においても相談を受け付けますが、その場合は事前に連絡してください。連絡先は初回授業時にお知らせします。
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