【授業の目的】
心理援助の専門職が,人々のこころとからだの健康の維持と増進を支援するためには,ストレスと心身の健康の関係を理解し,健康に必要な行動を身につけ,健康を損なうような行動を変えるといった健康管理のための行動を支援する理論と技法を身に付ける必要がある。また,医療・保健分野において,健康・医療心理学の知見がどのように活かされるかを把握しておくことも重要である。 本授業では,心身の健康の維持増進に関する理論と支援技法を理解し,医療・保健分野における活用の実際を学ぶ。
【授業の到達目標】
本授業の到達目標は,次の4点である。 1.ストレスと心身の疾病との関係を概説できる 2.医療現場における心理社会的課題及び必要な支援方法を説明できる 3.保健活動が行われている現場における心理社会的課題および必要な支援を説明できる 4.災害時に必要な心理に関する支援を説明できる
【授業概要(キーワード)】
ストレス,心の健康,予防,チーム医療,生物・心理・社会モデル
【科目の位置付け】
本授業は,公認心理師法の「大学における公認心理師となるために必要な科目」として文部科学省厚生労働省が定めるものである。
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントや配布資料を用いて,保健医療分野における心身の健康および様々な支援活動に関する講義を行う。適宜,質疑応答の時間を設けたり,講義を通して学んだことの感想を求めたりする。
・日程
第 1回目 講義の進め方とガイダンス(健康・医療心理学とは) 第 2回目 ストレスの心理学的メカニズムとアセスメント 第 3回目 ストレスの生理学的メカニズムと心身の疾病 第 4回目 心の健康とストレスマネジメント 第 5回目 医療現場における支援の基本概念:多職種連携・協働,生物・心理・社会モデルなど 第 6回目 保健・医療における法律,制度,倫理 第 7回目 医療・健康心理学の実際:精神科(小児・思春期~高齢期) 第 8回目 医療・健康心理学の実際:医療観察法指定医療機関 第 9回目 医療・健康心理学の実際:心療内科・内科 第10回目 医療・健康心理学の実際:小児科・母子保健領域 第11回目 医療・健康心理学の実際:神経科・リハビリテーション領域 第12回目 保健活動,自殺予防活動 第13回目 健康支援活動とストレスチェック 第14回目 災害時に必要な心理に関する支援 第15回目 授業の振り返りと試験
【学習の方法】
・受講のあり方
パワーポイントや配布資料を用いた講義が中心となるため,ノートテイキングを通した内容理解に努める。講義内で質疑応答の時間を設けたり,講義を通して学んだことの感想を求めたりする場合もあることから,自らの考えを発表するよう努める。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業中に配布した資料や【テキスト・参考書】に挙げる文献を授業前後に読むことによって,授業内容の理解を深めることが期待できる。
【成績の評価】
・基準
健康・医療心理学に関する概念や理論について,正しく理解し,記述あるいは論述できることを合格基準とする。
・方法
授業参加度:小レポート及びリアクションペーパー(50点)と試験(50点)で評価する。
【テキスト・参考書】
以下の文献を参考にした授業資料を配布する予定。 ・鈴木 伸一 (2008). 医療心理学の新展開―チーム医療に活かす心理学の最前線― 北大路書房 ・森 和代・石川 利江・茂木 俊彦 (編) (2012). よくわかる健康心理学 ミネルヴァ書房 ・宮脇 稔・大野 太郎・藤本 豊・松野 俊夫 (2018). 公認心理師カリキュラム準拠 健康・医療心理学 医歯薬出版株式会社 など
【その他】
・学生へのメッセージ
まずは,授業内容から基礎知識を習得してください。その上で,疑問に思った点について,質問したり,調べたりして,主体的に学習を深めていくことを期待します。
・オフィス・アワー
随時対応します。確実に面談したい場合には,授業終了時にお声がけいただくか,事前にメールでお問い合わせください。
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