【授業の目的】
手紙と音楽でたどるベートーヴェン(1770-1827)の生涯ー18世紀末から19世紀初頭のヨーロッパの状況を念頭に
【授業の到達目標】
ベートーヴェンの手紙を通じて、ドイツ人が使う生のドイツ語に触れるとともに、18世紀末から19世紀初頭のヨーロッパの状況をも理解できるようになる(古いつづりや表現は、授業者が現代的かつ平易なものに改めますので、基盤教育ドイツ語IおよびIIの標準的な知識で差し支えありません)。
【授業概要(キーワード)】
フランス革命,ナポレオン,ウィーン会議,反動政治,「歓喜」のモチーフ
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラム・マップ」を参照し,よく理解した上で履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
1回の授業は,以下のように構成されます。 0.予習 前の回に配付される「予習プリント」に従って行う。次回使用する単語の理解が中心となる。 1.テキストの配付と講読(適宜,音楽鑑賞(リクエストも受け付けます)) 2.練習問題 「復習プリント」により,その日に学んだ表現を復習し,実際に自分でも使えるものにする。 3.次回の「予習プリント」配付
・日程
各項目につき、1回ないし2回の時間をかけて,ベートーヴェン自身が書いた手紙を読み解いていきます。 0.ガイダンス:ドイツ語では「ベートーヴェン」ではない! 1.1794年:フランス革命と反動のウィーン 2.1801年:難聴の告白 3.1803年:「ハイリゲンシュタットの遺書」 4.1804年~07年:ヨゼフィーネ・ダイム伯爵夫人との恋 5.1810年:ベッティーナ・ブレンターノとの邂逅 6.1812年:「不滅の恋人」への手紙 7.1815年:名声と苦悩、「我々は歓喜のために生まれてきているのです」 8.1815年~16年:弟カールの死と、甥の後見人問題 9.1818年:停滞期からの復活 10.1822年~24年:「交響曲第9番「ニ短調」」
【学習の方法】
・受講のあり方
〇背景説明:18世紀末から19世紀初頭を理解するために必要なキーワードがいくつか登場します。説明をよく聞いてください。 〇ドイツ語の読解:手紙の原文を読むために必要な文法事項をまとめます。1年次の教科書を持参し,参照しながら聞くことも有効です。
・授業時間外学習へのアドバイス
次回の予習をするとともに,前の回でとりあげた範囲をもういちど読み直しておいてください。
【成績の評価】
・基準
平常点の他にレポートを課し、知識の修得の度合い・理解の度合い・汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)修得の度合い・参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて評価します。 具体的には、1)18世紀末から19世紀初頭のヨーロッパに関心を持ち,時代状況および文化現象について説明できる。2)そうした背景をもとに書かれたドイツ語文の内容を理解することができる。3)授業に積極的に参加し,その自分自身の姿勢を正当に自己評価できることが基準となります。
・方法
授業への取り組みとレポートで評価します。授業への取り組みでは,主に主体的な参加の度合い,知識の修得の度合い,理解の度合い,レポートでは主に汎用的技能(論理的思考力・文章表現力など)取得の度合いを見ます。 授業への取り組み60点、レポート40点 ※ただし,レポート提出は必須とします。また,全授業時数の3分の2以上出席していなければなりません。
【テキスト・参考書】
プリントを配付します。 また,教員が文法表を持参し,必要に応じて黒板上に提示します。
【その他】
・学生へのメッセージ
外国語学習は,それ自体で十分目標になり得ますが,同時にいろいろな問題を考えるための非常に有効な手段にもなります。本演習では,そのどちらの側面をも視野に入れ,両者の相乗効果をねらいます。つまり,ドイツ語文をきっかけに問題を考えることによって,ドイツ語能力が向上し,また,ドイツ語能力が向上することによって,さらに様々な問題をより深く考察できるようになる,ということです。
・オフィス・アワー
木曜日12時~13時、人文学部2号館3階東端渡辺将尚研究室。会議・出張等が入る場合がありますので,事前にメール等で照会しておくことをお薦めします。
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