【授業の目的】
本演習では、フランス語で書かれた比較的短いテクストを講読し、練習問題も解いていきます。本年は小説の訳読をとおして表現力を磨きます。 具体的には、(1)中級の初歩的な文法を習得し、(2)新たな語彙・熟語・言い回しを覚え、(3)フランス文化に対する教養を身につけることを目的とします。
【授業の到達目標】
この演習を履修した学生は、 (1) フランス語の中級文法の初歩を習得できる。 (2) 簡単な文学テクストを読むための語彙・熟語・言い回しを身につけることができる。 (3) 作品を和訳する際に必要となるフランス文化に対する教養を身につけることができる。
【授業概要(キーワード)】
仏文和訳、作品講読、フランス近代小説、フランス語中級(A2-B1レベル)、練習問題
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照してください。
【授業計画】
・授業の方法
訳読に際しては、あらかじめ担当箇所を決め、日本語訳を作ってきてもらい、それを発表してもらいます。授業中に意見を求めるので、訳文は受講者全員が作ってきます。 新たに登場するフランス語の中級の文法や表現については、立ちどまって解説します。 理解度を確認するため、講読テクストに関連する練習問題を解いて答えてもらいます。 受講者のレベルを考慮し、授業についてくるのが難しい学生はフォローします。
・日程
1.導入・授業の進め方について 2~14.教科書に沿って訳読。練習問題を解きます。 15.期末試験とまとめ。
【学習の方法】
・受講のあり方
比較的平易で短いものを選び、いろいろな作家のテクストを読みます。配布テクストを担当者が訳し、全員で吟味しながら読解を進めていきます。誤訳や誤答を恐れる必要はありません。 必要以上の私語や、当てられたときに勝手に隣の人に相談をした場合、平常点の減点対象になります。
・授業時間外学習へのアドバイス
この授業を履修するまでにフランス語初級文法を終えていること。 配布したテクストは次週以降に訳読するので、必ず宿題としてやってくること(音読練習と訳文作成)。 当てられた者が訳文を発表しますが、全員で検討するので、他の学生にも意見を求めます。 理解できなかった箇所はそのままにせず、質問してください。
【成績の評価】
・基準
評価基準は次の四つ。 (a)主体的な参加の度合い、(b)知識の修得の度合い、(c)理解の度合い、(d)汎用的技能の習得の度合い(論理的思考力、文章表現力) 具体的には、日々の授業と期末試験で、到達目標にあげた3点が達成できているかで評価する。 (1)については文法を理解して訳文が作成できるか、(2)については事前に調べてあるか、(3)については通りのよい日本語に置き換えられるかではかる。
・方法
日々の授業参加率と理解度(語彙の理解、文法の理解、文意の理解)(50点)と、期末試験(50点)を合わせて、総合的に判断します。既定点に達した者を合格とする。 訳文を作ってこなかった場合、減点の対象となる。
【テキスト・参考書】
テキストとして次の二冊を考えています(洋書ではなく、訳注付きの日仏対訳版です)。 (1)ジュール・ヴェルヌ『レのシャープ君とミのフラットさん』(大学書林、2017年) (2)ギュスターヴ・フローベール『純な心』(大学書林、2018年) 上記2冊は購入必須ではありません。ですが教科書として非常に優れているので、購入すれば必ず利するところ大でしょう。 *ただし受講人数や全体のレベルによって、講読テキストを変更する場合もあります。 辞書は持っているもので構いませんが(ただしポケット辞書は不可)、予習の際は「中辞典」以上の使用を推奨します。スマホ辞書は不可。 仏文和訳の技法に関しては、鷲見洋一『翻訳仏文法』(上・下巻)ちくま学芸文庫、2003年。
【その他】
・学生へのメッセージ
もともと文学に興味がない人にこそ履修して欲しい授業です。専門家による注釈の助けを借りながら、フランス近代小説の扉をいっしょに叩いてみましょう。きっとそこにはあなたが知らない世界が広がっています。また、フランス語圏の人とコミュニケーションをとるとき、この授業で得られる文学の知識は非常に役立ちます。 フランス語力のレベル・アップのために、短い文章から始めて、新しい表現を少しずつ覚えていきましょう。
・オフィス・アワー
初回の授業で指示します(研究室は人文社会科学部棟3号館6階)。 メールアドレス:y.goda@human.kj.yamagata-u.ac.jp
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