【授業の目的】
「現代中国文学批評入門」 現代中国の広く知られた小説作品に対する、現代中国における批評をあり方の一端を解釈することを通じて、現代中国の文学批評文に対する批判的読解力を身につけることが目的です。
【授業の到達目標】
1)現代中国語の文学批評文を読み解くことができる。【技能】 2)現代中国における文学批評の動向を指摘することができる。【知識・理解】 3)現代中国語を用いて文学批評文の要旨を準備することができる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
現代中国、文学批評、小説
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修して下さい。
【授業計画】
・授業の方法
まず、批評の対象とされている小説の原作を、中国語原文とその邦訳とを対照しつつ、小説の内容と構成を確認します。その後、その小説作品について、各自その言語表現上の特徴について、一定の見解をまとめます。 それらの作業を終えた後、現代中国における批評の一つを取り上げ、その批評姿勢を読み解き、分析を行います。 事前に各自が得ていた把握の仕方と、現代中国の批評のあり方を対比することを通じて、現代中国における文学批評の一つのかたちについて、批判をまとめます。
・日程
1 ~2 回:対象とする小説作品についてその概略を紹介し、対象とするテキストを選定します。 3 ~5 回:選定した小説作品について、既存の邦訳を参考としながら、内容と構成を把握します。 6 ~9 回:現代中国における批評文を読み解きます。 10~14回:現代中国における文学批評のあり方について、各自が事前に得ていた読み方と対照させつつ、その特徴を分析します。 15回:現代中国における批評手法について、意見交換をします。 以上のようなサイクルで、対象としたテキストについての読解と批判を進めていきます。
【学習の方法】
・受講のあり方
授業で使用する予定のテキストは、基本的には、現代の標準的な話し言葉の中国語をベースとするものではありますが、書き言葉特有の言い回しが増え、さらに古典文の引用が加わっている場合があるかもしれません。授業の前に、辞書や関連する領域の事典・文献を駆使しておおよその内容を把握しておく必要があります。疑問点があればそれをメモしておきましょう。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業の話し合いをもとに、テキストの内容を要約し、さらなる疑問点を書きとどめておきましょう。
【成績の評価】
・基準
毎回の授業への参加の状態と、期末に提出を求める総まとめのレポートにより、授業に対する主体的な参加の度合い、現代中国語の論説文を読み解くために必要な知識の習得の度合い、批評のあり方に対する批判的な理解、自らの理解を適切にまとめる文章力(書き言葉中国語の運用力を含む)、このそれぞれの項目の達成度に基づいて成績を評価します。
・方法
各授業時間中の学習態度と意見発表について40点、最終段階におけるまとめの批判的レポートについて60点、として評価します。
【テキスト・参考書】
劉俐俐『中国現代経典短篇小説文本分析』(2006年、北京大学出版社)、その他必要に応じて、プリント資料を提供し参考書を紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
基盤教育初修外国語の中国語Ⅰ及びⅡを、事前に履修しておくことが望まれます。
・オフィス・アワー
授業中のほか、質問などに答える「オフィス・アワー」を西上研究室(人文社会科学部2号館4階)で、月曜日の12時40分から14時の間に設けます。またこれに限らず在室時は随時対応します。
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