東南アジア地域論
 Southeast Asian Studies: Vietnam and Cambodia during the Cold War
 担当教員:今村 真央(IMAMURA Masao)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本授業は、東南アジアの大陸部、特にベトナムとカンボジアに焦点を当て、この二カ国の「冷戦時代」を学びます。第二次大戦後、ベトナムでは米国との長い戦争(いわゆる「ベトナム戦争」)が起こりました。また隣国のカンボジアでは、ベトナム・米国戦争も要因となり、クメール・ルージュによる大虐殺が起こりました。この二つの歴史的事件を、世界史の大きな文脈で理解することが本授業の目的です。

【授業の到達目標】
ベトナムとカンボジアの戦後史を、大きな歴史的文脈で理解し、説明できる。また、歴史の流れについて、自らの考えを文章でも口頭でも伝えることができる。学術的文章の書き方を理解し、小論文を書くことができる。

【授業概要(キーワード)】
東南アジア、ベトナム、カンボジア、冷戦

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
授業は、講師による講義と、履修生による口頭発表で進みます。原則として各履修生に、自身による調査と、口頭発表が課せられます。
・日程
第1回 イントロダクション:授業の説明(シラバス完全版が配布されます。履修を考えている人は必ず出席してください。)
第2回 世界史の中の冷戦
第3回 ベトナム・アメリカ戦争以前:仏領期
第4回 ベトナム・フランス戦争
第5回 南北対立と米国の本格的介入 
第6回  泥沼化と米国での反戦運動
第7回 韓国軍の介入ーと韓国における反応
第8回 ベトナム文学における「アメリカ戦争」
第9回 カンボジア内戦以前:仏領期
第10回 カンボジア内戦とクメール・ルージュ
第11回 ベトナム侵攻と中越戦争 
第12回 記録、記憶、追憶
第13回 カンボジア特別法廷と移行期正義
第14回  小論文討論①
第15回 小論文討論②

【学習の方法】
・受講のあり方
学生が主体的に参加する学習活動を含みます。小グループでの討論、そして口頭発表が課されます。口頭発表に対して、聞き手は積極的に質問することが求められます。履修生には、短い考察を頻繁に提出してもらいます。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業時間外に映画分析、そして口頭発表の準備が求められます。また、ウェブクラス での「お知らせ」を頻繁にチェックしてください。

【成績の評価】
・基準
「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文法表現力)」の4つの観点から成績評価をおこない、合計で最低6割の得点率をもって合格と判断します。
・方法
記事・小論文・企画書(3000字)40%、 口頭発表30%、 授業・討論参加30%、として総合的に判断します。

【テキスト・参考書】
『ベトナム戦争の記録』 ケン・バーンズ&リン・ノービック監督(ネットフリックス、全10回)
以下のうち一冊を選択して全て読んでください。
『戦争の悲しみ』バオ・ニン著、『消去:虐殺を逃れた映画作家が語るクメール・ルージュの記憶と真実』リティ・パニュ著
必須文献はウェブクラスもしくは授業で配布します。

【その他】
・学生へのメッセージ
いわゆる「ベトナム戦争」は、ベトナムでは「アメリカ戦争」と言われています。冷戦期に、東南アジアの人々はどのような体験をしたのでしょうか。またその体験は今日どのように受け継がれているのでしょうか。
・オフィス・アワー
火曜日 14:30 - 16:30 (オフィスアワー外の面談も可能です。メール等で事前にアポイントメントをとってください。)人文社会科学部1号館4階今村研究室

11033002-2019-31-12272