極東地域論
 Far East Area Studies
 担当教員:天野 尚樹(AMANO Naoki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
1)地政学ブームである。本も大量に出ている。確かに地政学的思考は重要だ。しかし、それがどういうものなのか、よくわからないことが多いのではないか。この授業では、地政学的思考の基本を学ぶことを目的とする。
2)地域帝国が競存する現代世界で自律的に生きのびるためには、すべての地域のすべてのひとに地政学的思考が求められている。平和に、かつ幸せに生きていくための重要な戦略的手段のひとつを手に入れることが最終的な目的である。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は
1)地政学的な分析手法と現代史の基礎知識を身につけることができる。
2)世界地図の見方を身につけることができる。
3)北東アジアの地域構造を理解し、ありうべき未来の姿について討議できる。
4)地政学的方法論を、世界情勢の分析に応用できる。

【授業概要(キーワード)】
地政学、地理学、政治学、歴史学、国際関係、北東アジア

【科目の位置付け】
グローバル・スタディーズコースの学生にとっては専門基礎科目として、また広く人文社会科学に関心をもつすべての学生にとっても、幅広い知識としなやかな思考力を武器として、世界に立ち向かうための基礎的な能力を身につけるものである。

【授業計画】
・授業の方法
以下の日程にしたがって講義します。地図や史料を含むプリントを配布します。
議論には積極的に参加してください。
世界情勢次第で講義の内容が変化することがありえます。
・日程
第1回 ガイダンス:いまなぜ地政学か
第2回 地政学理解のための基礎知識
第3回 古典的地政学(1)ハートランド
第4回 古典的地政学(2)ランド・パワーとシ・ーパワー
第4回 古典的地政学(3)世界島
第5回 古典的地政学(4)ユーラシア主義
第5回 冷戦の地政学(1)マッキンダーとスパイクマン
第6回 冷戦の地政学(2)ケナンと封じ込め政策
第7回 冷戦後の地政学(1)文明の衝突
第8回 冷戦後の地政学(2)デモクラティック・ピース
第9回 人文的地政学(1)ソフトパワーの地政学
第10回 人文的地政学(2)公共宗教とスケールのジャンプ
第11回 ポスト冷戦後の地政学(1)地域帝国が競存する世界
第12回 ポスト冷戦後の地政学(2)地政学を地域化する
第13回 ポスト冷戦後の地政学(3)北東アジアの地政学的変化
第14回 ポスト冷戦後の地政学(4)日本の地政戦略
第15回 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
地図と現場、歴史と未来をつなぐ想像力をもって講義を聞き、板書による整理を筆記し、配布資料を参照しながら理解を深め、積極的に発言する。
・授業時間外学習へのアドバイス
常に地図を座右におきながら、各種メディアを通して世界情勢をよく観察すること。
授業時間に紹介された関連文献を積極的に読むこと。

【成績の評価】
・基準
授業内容の理解にかかわったレポートによって判断される知識の習得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、および参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。
・方法
レポート80点+議論への参加20点。
学期末に提出するレポートがもっとも大きな評価対象です。これに、授業での議論等への参加貢献度を加味して、両者を合算して評価します。

【テキスト・参考書】
テキスト:指定しません
参考書:曽村保信『地政学入門 改版』(中公新書)、H. J. マッキンダー『マッキンダーの地政学』(原書房)、コーリン・フリント『現代地政学』(原書房)、その他授業中に紹介します

【その他】
・学生へのメッセージ
世界をよくみる。それは大切。でも、どうやって?その方法を一緒に考えよう。
・オフィス・アワー
学生からの質問・相談を受け付けるオフィスアワーは火曜日の12時10分から12時50分です。人文社会科学部1号館の天野研究室までおいでください。その他の時間でも在室時なら随時受け付けます。

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