【授業の目的】
「中国文学入門」 漢語による表現の歴史的展開にたいする理解を深めるために、歴史的変遷上で重要な意義を持つ事象に焦点を絞って具体的に解説します。それを通じて現代日本において、漢語によって試みられてきた文学的営みがどのような意義をもっているのかについて、基礎的な知識を獲得することを目的とします。
【授業の到達目標】
1)漢語を表現媒体とする文学的な営みの特徴を述べることができる。【知識・理解】 2)漢語を表現媒体とする文学作品を類別することができる。【知識・理解】 3)漢語を媒体とする表現行為の特徴を具体的に指摘することができる。【知識・理解】 4)漢語を表現媒体とする文学作品の現代的意義について討議することができる。【態度・習慣】
【授業概要(キーワード)】
漢語、文学、表現様式
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
漢語による文学的蓄積に親しむために心得ておきたいテーマを選び、話しを進めます。主としてプリント資料によりながら話しを進め、その後、テーマに関連する問いへの回答を、リフレクション・ペーパーへに記入してもらいます。次回の授業で、リフレクション・ペーパーに記載された事柄に関して、補足し、教室で意見交換をしたあと、次のテーマに進みます。
・日程
中国の文学の移りゆきに沿って、以下のようなテーマについて紹介します。順序は下記の通りです。 1 文学の役割:「こころとことば」、「詩は志を言う」の説 2 文学の志向:発憤著書の説 3 文学の様式:「文気」説と文体論の成立 4 詩はどう書かれたか 5 歴史叙述の政治性:「直書」のあり方 6 「小説」の成立 7 文学と性差 8 振り返りと今後の課題
【学習の方法】
・受講のあり方
主たる対象とするテキスト(訳文つき)をプリントとネット配信資料として提供します。気になった点を、適宜メモします。メモした疑問や意見を基に、リフレクション・ペーパーに、問いに対する意見を文章化します。
・授業時間外学習へのアドバイス
プリントとネット配信資料を改めて読んでみて、疑問や関心を覚えた部分について、辞書や事典などの関連書を参照し、自分のアイデアとして記録しておきます。
【成績の評価】
・基準
リフレクション・ペーパーの記載状況と期末の試験の結果により、授業への主体的な参加の度合い、知識の修得状況、理解の程度、さらに漢語を表現媒体とする文学に関して独自の思考に基づいた文章表現力が身についているかどうか、この四つの基準をどの程度満たしているかで成績を評価します。
・方法
各時間の講義後の質問に対する応答を記したリフレクション・ペーパーの記載状況を40点、授業期間末の総括的な問いに対する応答文書を60点として評価します。
【テキスト・参考書】
テキスト:プリント及びネット配信の教材を準備する。 参考書:小川環樹・西田太一郎著、漢文入門(岩波全書)、岩波書店。 小川環樹著、唐詩概説(岩波文庫)、岩波書店。 川合康三編訳注、新編中国名詩選(岩波文庫)、岩波書店。 など。
【その他】
・学生へのメッセージ
文学的関心を、中国の素材を対象としつつ拡張することを目指します。中国の言語や歴史に関心があることは好都合ですが、しかしそれらを講義の主たる内容とはしません。
・オフィス・アワー
授業中のほか、質問などに答える「オフィス・アワー」を西上研究室(人文社会科学部2号館4階)で、月曜日の12時40分から14時の間に設けます。またこれに限らず在室時は随時対応します。
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