【授業の目的】
「本当は怖いドイツ喜劇」 「喜劇」と聞くとただ面白おかしく人を笑わせるだけの芝居と思っていませんか?しかし喜劇にはとっても怖い側面もあり、アリストテレスから現代にいたるまで多くの研究者たちが多面的な喜劇の本質を把握しようと奮闘してきました。 本授業の目的は、ドイツの喜劇作品を読むことで、その作品が書かれた時代背景、宗教意識、政治問題、産業と市民生活、戦争と人間、格差社会などを幅広く講義することが目的です。また本授業ではドイツ文化に登場した「喜劇」に触れるばかりでなく、芸術ジャンルとしての「演劇」や「文学」にも触れていきます。
【授業の到達目標】
・いままでイメージしていた享楽的「消費物」としての喜劇のイメージを変えることができる ・提示されている出来事をもとに各作品の問題の所在を突き止めることができる ・ドイツ語圏の劇作家と受容者たちがどのような批判精神とメンタリティを抱いていたかを説明できる
【授業概要(キーワード)】
悲劇と喜劇、演劇・メディア、ドラマとシアター、ドイツ文化
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
基本的にはパワーポイントを使用して講義を行い、必要に応じてプリントや映像等を使用します。
・日程
第一週 オリエンテーション 第二週 喜劇と悲劇 概論 第三週 『フィガロの結婚』 第四週 喜劇としての『ファウスト第一部』 第五週 喜劇としての『ファウスト第二部』 第六週 『オイディプス王』と『こわれがめ』 第七週 番外編『はじめてのおもてなし』 第八週 前半部のまとめ、グループ発表 第九週 『マハゴニー市の興亡』 第十週 『セチュアンの善人』 第十一週 番外編『帰ってきたヒトラー』 第十二週 『物理学者たち』 第十三週 『老貴婦人の訪問』 第十四週 番外編『ホーリー・モーターズ』 第十五週 まとめと理解度の確認、グループ発表
【学習の方法】
・受講のあり方
受講生各自にノートを取ってもらいたいので、スライド一覧を授業内で配布するようなことはしません。そして授業最後には必ずレビューシートを書いてもらいます。このレビューシートがいい加減なものであれば、平常点に影響してくるとお考えください。講義形式のため受動的な受講形態に陥りがちですが、突然指名して発言を促すこともありますのでそのつもりで授業に臨んでください。
・授業時間外学習へのアドバイス
ウェブクラス上に必要なテクストをアップする。予習として読んでくること。また毎授業後にレビューシートを課すので、そのための準備を怠らないこと。授業で示したスライドや資料は後日ウェブクラスにアップするので、復習に活用してください。また、授業で扱った作品を本屋で買うなり図書館で借りるなりして、ぜひ自分で読んでみてください。
【成績の評価】
・基準
期末試験としてレポートを課します。このレポートと毎授業時に提出してもらうレビューシート、グループ発表の内容から、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定します。
・方法
期末レポート50%、平常点50%。平常点には、授業時に行うグループワークとレビューシートも含まれる。積極的な受講が求められる。
【テキスト・参考書】
授業計画に基づいてウェブクラス上に必要なテクストをアップします。予習時に読んでくること。授業時にその都度指示します。
【その他】
・学生へのメッセージ
ドイツ語力はさほど必要ではありませんので、演劇、文学、ヨーロッパ文化に興味がある人ならば誰でも歓迎します。
・オフィス・アワー
人文社会科学部2号館4階摂津研究室、月曜日9:00−10:20。左記以外の日時でも、在室時には基本的に対応する。しかし緊急の会議等が入ることもあるため、Eメールでアポイントをとることを勧める。
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