フランス文化演習
 Seminar in French culture
 担当教員:合田 陽祐(GODA Yosuke)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
テーマは「現代フランスの諸問題」。現在ヨーロッパは、頻発するテロや移民問題、イギリスのEU離脱等により大きく揺らいでいます。この演習では、そうした危機の時代を迎えたEU諸国、とりわけその舵取り役を担うフランスが抱えている社会問題・国際問題について、いくつかのトピックを立てて考えていきます。まずは問題の所在とその歴史的背景を知ることが重要ですので、新書など平易な読み物を参照して理解を深めていきます。さらに、テーマをしぼったうえでグループ発表を各自一度は行い、主体的な事前学習と討論を通じて、問題解決に向けた柔軟な発想力を身につけていきましょう。

【授業の到達目標】
学生はこの演習への参加を通じて、
1. フランスを中心とする現代ヨーロッパの社会問題の所在とその歴史的背景について、基礎的な知識を得ることができる。
2. 分担して一つの発表を組織し、集団的な討論をとおして、問題を解決に導くプロセスを身につけることができる。

【授業概要(キーワード)】
移民、人種差別、ライシテ、西欧ポピュリズム、ストライキ、黄色いベスト運動、所得格差、エリート主義、暴動、日本との関係

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
毎回の担当グループの発表を全員で聞き、各自が意見票にコメントを書く。それを用いた個別の質疑応答を経て、全体での討論を行う。なお、各発表と討論会の司会進行は学生が担当する。
・日程
最初に担当教員が概論的な講義を行う。その後、グループと担当を決めて発表を行ってもらうが、詳細な日程については初回および第二回を使って決定する。現時点で予定している授業内容は以下の通り。

1 オリエンテーション
2-3 問題設定の説明
4-5 関連映像の上演と討議
6-8 ○○についての発表と討議、次の発表の予告
9-11 ○○についての発表と討議、次の発表の予告
12-13 ○○についての発表と討議
14 これまでの議論のまとめ
15 レポート執筆

※ 履修者数に応じて、変更や順序の入れ替えを行う場合があります。

【学習の方法】
・受講のあり方
調査や発表を通じて、国際的な複数の視点から事象を検討し、討議に参加することが求められる。
発表を行うためには、教員の発表や以下に示す参考文献などを参照して問題の所在を確認したうえで、対象となる作品の読解を行うことが求められる。
授業中の睡眠学習や瞑想はむろんNG(欠席とみなします)。
・授業時間外学習へのアドバイス
できるだけ参考文献にあがっている著作を多くひもとくことが望ましい。
発表はたんに事実確認を行う場ではないので、必ず発表グループ固有の「問い」を発して、その問題の解決法を示せるよう、メンバーと打ち合わせを行いながら準備して欲しい。

【成績の評価】
・基準
発表を深める形で期末レポートを書いてもらう。その際、授業の到達目標に記した1については、たんなる事実確認ではなく、現代的関心から書けているかどうかではかる。2に関しては、実例を引きながら論証されているかどうかではかる。
・方法
授業参加(出席点、授業内での討論、発表での主体性など)50点、期末レポート(知識の修得の度合い、理解の度合い、論理的思考力、文章表現力を見ます)50点。

【テキスト・参考書】
教科書として、(1)小田中直樹『フランス7つの謎』(文春新書、2005年)を用いる。
これ以外にも参考文献として以下を適宜参照していく予定。
(2)伊達聖伸『ライシテから読む現代フランス』(岩波新書、2018年)
(3)薬師院仁志『日本とフランス 二つの民主主義』(光文社新書、2006年)
(4)庄司克宏『欧州ポピュリズム』 (ちくま新書、2018年)
(5)小田中直樹『フランス現代史』(岩波新書、2018年)
WebClassにさらにくわしい参考文献(方法論を含む)一覧をあげるので確認すること。

【その他】
・学生へのメッセージ
本演習は2年生も履修できますが、高年次科目のため、2年生はGPA3.0以上の学生に履修が限られます。
フランス語の履修者以外の参加を歓迎します。日本との比較の観点が入るので、フランス語非履修者にとっても有益なはずです。
ほかにも、なぜフランスではストライキや暴動が多いのか。移民問題の根っこはどこにあるのか。こうした問いに少しでも興味がある方、履修をお待ちしています。現在ヨーロッパで発生している諸問題は、近い将来、日本にも起こりうることです。
授業では映像作品もみます。広い視野から問題を考えていければと思います。その分、わかりやすい授業になるよう配慮します。
・オフィス・アワー
初回オリエンテーションで告知します(研究室は人文社会科学部棟3号館6階)。
メールアドレス:y.goda@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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