【授業の目的】
グローバル・スタディーズコースでの学問を本格的におこなうにあたって必要な人文社会科学の基礎的素養を身につけることを目的とします。演習を重ねることで、大学生として標準的な読書力、文章作成力、討論能力を養い、グローバルなレベルで通用する知性とチャーミングさをそなえた学生に変わることが最終的な目的です。
【授業の到達目標】
この演習を履修した学生は 1)グローバル・スタディーズとは何かを理解し、自力での研究にその理解を適用できる。 2)人文社会科学の基礎的な素養を身につけ、自分が追求したいテーマに応用できる。 3)大学生として標準的な読書力を身につけ、文章を作成し、討議できる。
【授業概要(キーワード)】
グローバル・スタディーズ、人文社会科学、極東、北東アジア、国際社会、異文化理解
【科目の位置付け】
グローバル・スタディーズコースの3年次生以上を主たる対象とする専門展開科目であり、人文社会科学の基礎的素養をふまえた論理的考察力、健全な批判精神、幅広い知識を習得するものである。
【授業計画】
・授業の方法
グローバル・スタディーズの基礎的理解に有益な文献を読み、2000字程度のレポートを書き、授業中に可能な限り全員が発表し、議論し合う。提出されたレポートは教員が添削して返却する。
・日程
課題図書は世界情勢や出版状況、受講者の関心によって変わることがあります。 第1回:イントロダクション 第2回:日本語作文の技術(講義) 第3回:内田義彦『読書と社会科学』(岩波新書) 第4回:鶴見良行『バナナと日本人:フィリピン農園と食卓のあいだ』(岩波新書) 第5回:高坂正堯『国際政治:恐怖と希望』(中公新書) 第6回:酒井啓子『9.11後の世界史』(講談社現代新書) 第7回:水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書) 第8回:大岡昇平『俘虜記』(講談社文庫) 第9回:堀田善衛『時間』(岩波現代文庫) 第10回:本橋哲也『ポストコロニアリズム』(岩波新書) 第11回:仲正昌樹『悪と全体主義:ハンナ・アーレントから考える』(NHK出版新書) 第12回:田中克彦『ことばと国家』(岩波新書) 第13回:丸山真男『日本の思想』(岩波新書) 第14回:網野善彦『「日本」とは何か(日本の歴史00)』(講談社学術文庫)
【学習の方法】
・受講のあり方
レポートを書いて出席する。教室では、恥じらいと遠慮を一切排し、自分のことは棚に上げて、健全な批判・意見・質問・応答を出し合う。担当教員の批判にも、根拠のある主張であれば、ためらうことなく反論する。
・授業時間外学習へのアドバイス
必死になって本を読み、読み返し、最適なことばを探して何度も立ち止まり、立ち往生しながらことばをつむぐこと。担当教員をギャフンといわせようとレポートの執筆に立ち向かうこと。
【成績の評価】
・基準
提出されるレポートによって判断される知識の習得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、および参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。
・方法
レポート80点+議論への貢献度20点 文献の適切な内容理解、文章の論理性、意見の独創性に基づくレポートの評価に重点をおき、授業中の議論への貢献度合いを加味して評価します。
【テキスト・参考書】
テキストの入手方法については初回のガイダンスで説明します。 参考書:本多勝一『日本語作文の技術』(朝日文庫)
【その他】
・学生へのメッセージ
楽な演習ではありませんが、それを乗り越えたとき、きっとあなたは変わります。そんな未来を期待するすべての学生を歓迎しますが、天野を指導教員とする学生は必ず履修してください。期待には必ずこたえます。
・オフィス・アワー
学生の質問・相談を受け付けるオフィスアワーは火曜日12時10分〜12時50分です。天野研究室までおいでください。その他の時間も在室時には随時応じます。
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