【授業の目的】
正史『三国志』や『三国演義』から、その後の小説・戯曲、さらに漫画・映画等の現代的メディアにいたるまでの三国志物語の受容・変容のあり方、三国志における人物像の多面性について検討する。後期は特に、「諸葛亮」=「諸葛孔明」の人物像の継承・形成について考察する。『三国演義』成立の初源に立つ正史『三国志』から、近世以後の京劇・布袋戯における三国志脚本、さらには映画等のメディアにいたるまで、考察・分析し「孔明像」の再発見に努めたい。
【授業の到達目標】
三国志さらにその後の小説・戯劇・映画・漫画等の三国志メディアを通し、古典の継承・展開・再創造について考察を深めることができる。中国古典文化を理解し、その現代における継承・展開のあり方を考察するとともに、現代における古典的人間像の新たな発見が可能になる。
【授業概要(キーワード)】
三国志や三国志メディアを通し、古典の受容・再創造、人間観の変移について新たな観点から学ぶ。
【科目の位置付け】
教職「教科に関する科目・漢文学」の授業。 中国古典の訓読・読解だけでなく、中国古典の現代的創造的展開を目指す科目。 カリキュラム・ポリシーと関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修すること。
【授業計画】
・授業の方法
三国時代前後の地理歴史や文学、政治社会に対する知識・理解を広げる。さらに、その後の小説やメディアにおける三国志の人物像や三国志物語の受容・変容のあり方等について調査・考察し、各自発表した内容について参加者全員で討論する。
・日程
第1回:ガイダンス 第2回:三国志と関連資料の学習・三国志研究の現状把握 第3回:諸葛亮の人物像の変容について、正史『三国志』の読解を手始めに、その後の『三国演義』、京劇・布袋戯の三国志テクストについて考察・分析・討論する。 ~ 第12回 第13回:各自、三国志の登場人物を選び、その人物像の多面性について考察・討論・発表する。 ~ 第15回:総合的討議
【学習の方法】
・受講のあり方
中国文化・中国古典とその現代への展開、時代・メディアの相違による人間観の変容について、各自のオリジナルな観点・関心をもって受講することが求められる。
・授業時間外学習へのアドバイス
発表担当者は、パワーポイント等の必要資料を用意する。 気づいたことや疑問をメモしておき、次回の授業で発言する。
【成績の評価】
・基準
①主体的な参加の度合い②知識の獲得の度合い③理解の度合い④論理的思考力・文章表現力等の汎用的技能の修得の度合い。以上の4点を評価基準とする。 その上で、三国志を通し中国文化およびその現代的受容について深く考察しているか、プレゼン発表の説得性・創造性について、具体的に評価する。
・方法
50点=各回のプレゼンに対する評価 30点=最終プレゼンに対する評価 20点=発言等の授業への積極参加
【テキスト・参考書】
テクスト:特に指定しない。 参考書:授業時に配布あるいは適宜指示する。
【その他】
・学生へのメッセージ
三国志をあまり知らない人も“熱烈歓迎”。三国志の学習を通して中国文学・文化の具体的な姿を楽しく学ぼう。
・オフィス・アワー
水曜日、12:00~13:00をオフィスアワーとする。人文社会科学部2号館4階。その他、連絡の上、相談に応じる。
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