西洋美術に見る生と死(人間を考える)
 Life and Death in Western Art (Humankind)
 担当教員:石澤 靖典(ISHIZAWA Yasunori)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
この授業では古代から現代までの西洋美術における生と死のイメージを見ながら、その意味や多様な表現形式、人生や社会における役割を考えます。ヨーロッパ文化は、人間の生と死についてさまざまなとらえ方をしてきました。とくに絵画、彫刻、建築などの美術作品は、同時代の宗教や思想、他の芸術ジャンル(文学や音楽)と深いかかわりを持ちながら独自の死生観をイメージとして提示してきたといえます。本講義ではそうした西洋美術の流れを大きく二つの時代―伝統美術と近現代美術―に分け、それぞれに特徴的な生と死のイメージを考察します。

【授業の到達目標】
ヨーロッパ美術において何が問題とされ、どのような変革が生じたかを把握し、西洋美術史におけるその位置づけと意義について理解できるようになる。また、社会において芸術家や美術作品が果たす役割について広い視野から考えることができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
西洋美術 生命 死生観 古代 ギリシャ・ローマ神話 キリスト教 中世 バロック モダニズム 

【科目の位置付け】
この授業は西洋美術史上のすぐれた作品をさまざまな視点から考察することで、芸術に関する幅広い知見と文化活動に対する適切な判断力を養うものです。

【授業計画】
・授業の方法
特定の時代に関する講義形式の授業と履修生によるグループ・ディスカッションを交互におこないます。ミニッツペーパーに授業内容についての感想や疑問点を書いてもらうこともあります。
・日程
第1回 ガイダンス ― 生と死の
第2回 伝統美術 ① ― 神々と英雄(古代ギリシャ・ローマの美術)
第3回 伝統美術 ② ― キリスト教における死と復活(中世からルネサンスへ)
第4回 伝統美術 ③ ― 聖と俗の図像学(バロック美術)
第5回 伝統美術 ④ ― まとめ
第6回 伝統美術についてのディスカッション ①
第7回 伝統美術についてのディスカッション ②
第8回 伝統美術についてのグループ発表
第9回 近現代美術 ① ― 現代生活の画家たち(レアリスムから印象派へ)
第10回 近現代美術 ② ― 芸術の自律性(20世紀モダニズム美術)
第11回 近現代美術 ③ ― 虚構としての生(ポスト・モダニズム美術)
第12回 近現代美術 ④ ― まとめ
第13回 近現代美術についてのディスカッション ①
第14回 近現代美術についてのディスカッション ②
第15回 近現代美術についてのグループ発表

※進捗状況により一部順番や内容を変更する場合があります。

【学習の方法】
・受講のあり方
この授業はグループワーク・プレゼンテーションなど学生が主体的に参加する学習活動を含みます。重要なことがらはスライドで作品を提示しながら板書もしくは口頭で説明するので、各自メモをとるようにしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
美術関係の展覧会や図書館にある画集などを通して、さまざまな作品を随時鑑賞することが望ましい。

【成績の評価】
・基準
①授業への参加度、②授業の内容に対する意見や疑問を論述する小レポート、③期末筆記試験を評価の対象とする。評価基準は、1)西洋における美術の意義を具体的事例を挙げながら説明することができるか、2)芸術を語るための基本的な用語や歴史を理解しているか、です。
・方法
授業への参加度(30%)、グループ・ディスカッションと発表(30%)、期末レポート(40%)で評価する。

【テキスト・参考書】
テキストは使用せず、毎回資料を配布する。なお参考書として手ごろな西洋美術の通史を一冊手に入れ、講義と平行して適宜参照することが望ましい。推薦書については授業のなかで指示する。

【その他】
・学生へのメッセージ
西洋美術史を初めて学ぶ学生にも理解できるよう、概説的な説明も随時おこないます。
・オフィス・アワー
金曜日16:20-17:50 (その他在室時随時)石澤研究室(人文社会科学部1号館4階)、メールアドレス:ishizys@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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