【授業の目的】
高度情報化社会の現代において,私たちの身のまわりには膨大な量のデータが溢れています。たとえば,テレビや新聞の世論調査,広告・CMの「〇〇数NO1!」などのキャッチコピー,インターネットのアンケート調査など,様々なデータを毎日のように目にしていることでしょう。それらのデータを知識なく,自分なりに解釈してしまうことに問題はないのでしょうか?実は,データの裏側には「印象操作」を目的とした作成者の意図や調査の限界が隠れていることがあり,それを知らずに解釈してしまうと,重大な判断ミスにつながってしまうことが多々あります。 そこで役に立つのが統計学の知識です。この授業では,マスコミによって伝達されるデータを正しく解釈できるようになること,また,コンピュータで自ら分析したデータに基づき,自身の考えを説明できるようになることを目標にします。 (注)この授業は前期の別の時限にもう1コマ開講されています。内容はほぼ同じですので,都合のよいコマを受講してください。
【授業の到達目標】
1. ヒストグラムや散布図などのグラフを描き,解釈できるようになる 2. 平均値や標準偏差などの統計量に基づいて,自分の考えを説明できるようになる 3. 2つのデータの関連性を分析できるようになる
【授業概要(キーワード)】
統計学,データの解釈と記述,コンピュータ演習
【科目の位置付け】
この授業は統計学の知見に基づく合理的な批判的思考力を養うものである。
【授業計画】
・授業の方法
- 情報端末室で,講義とコンピュータ演習を組み合せて進めます。 - 数学があまり得意でない学生にもわかりやすいよう,高校数学の内容を丁寧に復習しながら進めます。 - コンピュータがあまり得意でない学生でもできるよう,前半の授業でExcelの使い方を丁寧に練習します。 - 授業中にグループ内で互いに教え合う「学習グループシステム」を採用し,みんなで授業についていけるようにします。
・日程
第①回 オリエンテーション(なぜいま統計学なのか) 第②〜④回 PCの基本操作とExcelの基礎スキル(参照とオートフィル) 第⑤回 データを表とグラフにまとめよう(度数分布表とヒストグラム) 第⑥〜⑦回 データから統計量を計算しよう(平均値と標準偏差) 第⑧〜⑨回 中間まとめ 第⑩〜⑫回 2つのデータの関連性を見出すには(クロス表,散布図,相関係数) 第⑬回 社会調査の仕組み(母集団と標本,世論調査) 第⑭〜⑮回 期末まとめ (注)受講者の関心や進捗に合わせて,授業内容を調整する場合があります。
【学習の方法】
・受講のあり方
- 毎回の授業で提出する課題が成績に大きく影響しますので,すべての授業に出席するよう心がけてください(公欠等の救済措置はあります)。 - パワーポイントで表示される内容は,要点のみノートに筆記して内容の理解に努めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
レポート課題は提示されたらすぐに取りかかるようにし,考える時間を十分に取ってください。
【成績の評価】
・基準
マスコミによって伝達されるデータを正しく解釈できるようになること,およびコンピュータで分析したデータに基づいて自身の考えを説明できるようになることを合格の基準とします。
・方法
1. 受講態度 (20%) 「授業に積極的に参加したか」などを考慮 2. 課題 (50%,うち小テスト10%) 「授業内容を理解しているか」などを考慮 3. レポート (30%) 「データに基づいて正しく説明できているか」などを考慮
【テキスト・参考書】
この授業では、担当教員が作成するスライド、プリントなどを授業で資料として配布し、都度、テキストや参考書などを紹介します。
【その他】
・学生へのメッセージ
高校数学の新課程で「データの分析」が必修になって間もないですが,これはちょうど皆さんの世代から統計学が職業上必須になったことを意味しています。実際に統計学は,企業におけるマーケティングや製品開発,国・地方の行政機関による社会調査,学校での教育効果分析,医療現場における診療判断,スポーツでの戦略分析などあらゆる職業において,今後ますます応用が拡大すると予想されています。高校数学の知識が残っているうちに統計学を学び始めれば,後々ずっと楽になりますよ!
・オフィス・アワー
金曜日16:30〜17:30。居室・連絡先などは初回の授業でお知らせします。
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