石造文化と祈り(山形から考える)
 Faith of Stone cultural property(Thinking Outside Yamagata)
 担当教員:荒木 志伸(ARAKI Shinobu)
 担当教員の所属:学士課程基盤教育機構
 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
石造文化財を通じて、それらに対する民衆の信仰を取り上げて考察する授業です。山形には、独特の石造文化財が多く残っています。具体的には石仏、磨崖仏、板碑、五輪塔、層塔、宝篋印塔、多宝塔、庚申塔、石塔婆、墓標、道祖神、草木塔等を取り上げて、外部講師による講義を含めて学習します。そのうえで、民衆の信仰や生活・社会と関連づけながら考える機会を経て、現地で石造文化の実習をおこないます。特に草木塔には焦点をあて、フィールドワーク・現地実習で自ら観察し、その歴史的な理解を深める機会とします。

【授業の到達目標】
1)過去の歴史から未来へと、様々な教訓を引き出す洞察力を身につけることを目的とします。
2)山形独自の信仰に関する文化を、現地で観察・考察する機会から、その文化的意味について論理的に述べることができるようになります。

【授業概要(キーワード)】
歴史遺産、民俗、祈り、立石寺、岩塔婆、自然と人間の共生、伐木儀礼、草木供養塔、学生主体型授業(アクティブラーニング○△●★)

【科目の位置付け】
山形の歴史や民俗などについて様々な視点から理論的に考察することで、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得します。

【授業計画】
・授業の方法
1)第7回目まで、講義で石造文化に関する基礎的な知識を得ます。
2)第8~10回目で学内フィールドワーク・ディスカッションをおこない、現地実習参加前の学習の機会とします。
3)第11~14回目(6月22日か29日を予定、第1回目でアナウンスします)で、米沢市で現地実習をおこないます。草木塔をはじめとする石造文化や博物館で地域に関する資料を直に観察する機会です。
4)現地実習への参加は必須となります。そこでの経験をもとに、自らが考察したレポートを提出する必要があるためです。
・日程
第1回目 講義の進め方とガイダンス      
第2回目 日本文化と石造文化         
第3回目 『山形の寺院境内に見る石造文化』     
第4回目 『草木塔と歴史』
第5回目 『山形県内の草木塔』     
第6回目 『草木塔と「奇跡の松」』          
第7回目 『世界に広がる草木塔ー地球の裏側、パラグアイにてー』  
第8回目 現地実習に向けて(1)
学内フィールドワーク小白川キャンパス附属博物館・草木塔・旧制高校の痕跡
第9回目 現地実習に向けて(2)
  墓石の読み解きかたに関するレクチャー
第10回目 現地実習に向けて(3) 
草木塔見学に向けての課題発見・議論(グループワーク)
第11回目~第14回目
 『現地実習:「米沢市田沢地区」の草木塔の調査、米沢市上杉博物館の見学』
第15回目 授業のまとめとレポートの提出    

【学習の方法】
・受講のあり方
講義は毎回出席し、基礎的な内容について理解するようにしてください。
配付したレジュメ・資料を、日頃からきちんと整理し、必要に応じてメモをするなどしてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
1)山形県の地図を見て、山・川・都市などの位置をおさえておきましょう。
2)授業で学習したことを図書館等で自分なりに調べ確認してください。
3)指示された参考書などを読んで、授業内容の理解を一層深めるようにしましょう。

【成績の評価】
・基準
1)レポートでは、石造文化と祈りについて、授業を通じて得られた知識や経験をもとに、主体的に考察・論述できているかを合格の基準とします。
2)授業内では、質問や教員からの問いかけに積極的に発言するなど、主体的な姿勢を評価します。
・方法
授業内での課題 20点
口頭試問(授業中に質問したことに対する回答) 10点
レポート 70点
※遅刻は厳禁とします。なお、①欠席の回数が講義4回以上になった時、②現地実習に参加できない場合、単位取得は不可となるので注意してください。
※例年、現地実習は6月の土曜日におこなっています(2019年度は6月22日か29日を予定)。実施日は、第1回目のガイダンスでアナウンスしますので、他の授業との重複には十分留意してください。

【テキスト・参考書】
テキストは授業中に配布します。また、参考書は以下にあげるもののほか、必要に応じて授業内で提示していきます。
【参考書】
・横山昭男、渡辺信、誉田慶信、伊藤清郎『山形県の歴史』2011
・横山昭男編『図説 山形県の歴史』1996

【その他】
・学生へのメッセージ
受講者は20名を限度とします。山形には独特の信仰形態がたくさんあります。その謎を一緒に考えていきましょう。なお、現地実習の参加費等は自己負担となります。
・オフィス・アワー
水曜14:40~16:10 出張や学外会議が入る場合もあるため、必ず事前にWebClassのメッセージ機能からアポイントメントをとること。

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