フィールドワーク・月山-景観から地域を読む-(山形から考える)
 Fieldwork in Gassan "Landscape Interpretation" (Thinking Outside Yamagata)
 担当教員:八木 浩司(YAGI Hirosi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
山形県の中心に位置する独立峰・月山の自然環境,防災科学,人文科学的知見の学習を通して,山形の有形・無形資源としての月山を学際的に分析する.そして,ほかの地域に対して同様なmultidisciplinary分析が行えるようにする.

【授業の到達目標】
月山地域に於いては,地殻変動や火山活動さらには地すべり現象によって形作られた自然景観に,数百年の時間オーダーで人間社会が入り込み長らく神秘的な社会として存在してきた.このような複雑に絡み合った現象としての月山地域を理解していく際.自然科学から人文科学に至る多分野学際的な視点で捉えながら,それらを再構成して理解する必要がある.この授業では,月山地域を観察対象として,フィールド授業を行いながら,様々な切り口で地域を捉えるテクニックを身につける.そしてそのテクニックが他の地域に行った際にも,同様にその場所の多分野学際的分析を可能にすることを目指す.

【授業概要(キーワード)】
月山,地域理解,多分野学際的視点・切り口、フィールドワークにおける学生主体型授業(アクティブラーニング▲)

【科目の位置付け】
この講義は,地域性を理解するための学際領域フィールドサイエンスとして位置付けられます.

【授業計画】
・授業の方法
5月まで教室での座学で月山に関する基礎知識を学ぶ.そしてそれら基礎知識を基に,関心のある分野ごとに履修者らがグループを構成し,フィールド学習のテーマを選ぶ.さらにグループ毎に選んだテーマについて自ら研究を深め、その成果のプレゼンテーションを行い,質疑を通して履修者全員に月山で学べることの理解を深めていく.最終的には,週末を利用した集中講義形式で実施するフィールドワークで,学んだことを確認するとともに,机上で学んだ知識と現場で見たり触れたりする現象とのギャップを知ることで理解を深めていく.
・日程
第1回   授業の進め方に関するオリエンテーション
第2回   月山の地理的位置と地形的特徴
第3回   月山を構成する地質と火山活動
第4回   月山周辺の気候環境:雪と風,自然災害と適応
第5回   東北日本と月山周辺の植生と恵み
第6回   月山・湯殿山・羽黒山:歴史と奧参り
第7回   プレゼンテーションの準備
第8回   プレゼンテーション1
第9回   プレゼンテーション2
第10〜15回 月山の地形・地質・植生
      出羽三山地域の歴史性(6月中・下旬の土・日曜日をつかった集中講義)

【学習の方法】
・受講のあり方
多分野学際的な授業になるので,様々な現象を繋げる柔軟性と思考の切り替えが必要.授業形式以外に,フィールド学習を行うので歩いて学ぶ姿勢が必要.
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストに書かれていることのみを覚えるのではない.フィールドにおいては,それらの現象は,他の現象と渾然となっていることから意識しないと見つけ出すことは困難である.単なる知識を意識によって他にも応用可能な知識としていく.

【成績の評価】
・基準
与えられたテーマに対するプレゼンテーションとレポートによって,地域性を読み取る力が付いたか否かで評価.
・方法
プレゼンや,フィールドワークを欠席すれば評価対象にならないので注意.
個人レポート(50%)とグループでのプレゼンテーション(50%)のそれぞれの得点の総合しその6割以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
教科書は指定しません
授業ごとに資料を配付するか,Webclassから資料をダウンロード・印刷して授業に臨むこと.

参考書 八木編著「白神の意味」
    小池ほか編著 日本の地形「東北」,東大出版会
    岩鼻通明「出羽三山」,岩波新書

【その他】
・学生へのメッセージ
フィールドにおける学習効果を高めるため受講者は20名に制限するため抽選を行うこともあります.
フィールドワークでは,土・日に集中講義形式で実施するため宿泊を伴います.バスの借り上げや宿泊の実費(約2万円)は自己負担になります.
・オフィス・アワー
出張時以外は,夕方(5時すぎ)研究室(地域教育学部2号館3階資料検索室1・地形学実験室)にいます.随時受け付けます.

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