【授業の目的】
人間に対する理解を深めるため、競争政策と経済活動の基本的ルールを定めている日本の経済法制を検討する。経済活動における公正かつ自由な競争について考察し、人間と社会との関わりについて考えることを目的とする。
【授業の到達目標】
経済民主主義の法制度(経済法・独占禁止法)の思想・理念と形成過程や争点の基本的問題を理解し、日本の政治経済とそこに生きる人間に関して主体的に考察できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
競争政策 独占禁止法 経済法 学生主体型授業(アクティブラーニング■☆)
【科目の位置付け】
この科目は、競争政策及び経済民主主義の法制度とそこに生きる人間について様々な視点から理論的に考察することで、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。
【授業計画】
・授業の方法
この授業はグループワーク・プレゼンテーションなど学生が主体的に参加する学習活動を含む。資料に即して解説する。講義で説明したことを踏まえて次の時間の講義が行われて、説明が積み上げられていくので、継続的な履修が必要である。受講生の意見を求めることもある。基礎的な知識を修得後に、グループで討論を行って考察を深めた上でプレゼンテーションを行う。
・日程
第1回 ガイダンス 第2回 法とは何か、制定法の体系と慣習法、法の分類 第3回 法の解釈と適用、判例の意義 第4回 明治維新から第二次世界大戦前の日本経済の特徴 第5回 ポツダム宣言の受諾と戦後の経済民主化政策 第6回 独占禁止法の目的と概要 第7回 独占禁止法による共同行為の規制 第8回 独占禁止法による排除行為の規制 第9回 グループ討論(独占禁止法のテーマから) 第10回 グループ討論(独占禁止法のテーマから) 第11回 グループ討論を振り返って 第12回 独占禁止法と政府規制の歴史と問題点 第13回 グループ討論(規制改革のテーマから) 第14回 グループ討論(規制改革のテーマから) 第15回 グループ討論を振り返って
【学習の方法】
・受講のあり方
各回、あらかじめ WebClass に掲載する資料、法律の条文をよく読んで、疑問点を明確にして、問題意識をもって受講すること。板書や説明のポイントをノートに記しておくこと。授業中に意見を求められたら、率直に考えたことを述べること。
・授業時間外学習へのアドバイス
受講後は、改めて資料・条文を読み直して、ノートを補足しておくこと。疑問点を整理して、文献を調査して読んだり、授業やオフィスアワーを利用して教員に質問したりすることにより、疑問点を解消するように努めること。
【成績の評価】
・基準
平常点では、授業での活動やグループ討論に積極的・能動的に参画できているか、グループ討論の成果をわかりやすく説明するプレゼンテーションができているか、学期末に課すレポートでは、それまでに授業で取り上げた題材を基礎に文献の調査を行い考察を加えて、独占禁止法の基本的な概念を理解して、論点について、自分の意見を論理的に述べられるかにより判定する。
・方法
平常点:40点 レポート:60点 平常点は、グループ討論の発表の際の質疑を通じて評価する。レポートは、学期末に提出されたものを評価する。
【テキスト・参考書】
テキストは、特に指定しないが、調査やレポートの執筆の際には、「なせば成る(三訂版)」を参照すること。独占禁止法に関しては、公正取引委員会のHPや、公正取引協会のHPに、資料や学習用ガイドが掲載されている。図書館の開架の図書も参考になる。
【その他】
・学生へのメッセージ
競争政策といっても、人々が共同作業を行い共生していくことをやみくもに否定するものではありません。経済活動における競争と共生は、どのようにあるべきかの考察を通して、日本のあるべき姿と自らの生き方を考えていただきたいと思います。
・オフィス・アワー
月曜日12時から13時30分 小白川キャンパス C1b(人文社会科学部1号館)の3階にある藤田稔研究室 電子メール(hd123@kdw.kj.yamagata-u.ac.jp)か電話(628-4261)で打ち合わせのうえで、その他の時間帯も対応する。
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