人文地理学入門(地理学)
 Introduction to Human Geography (Geography)
 担当教員:本多広樹(HONDA Hiroki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本講義では,人文地理学のさまざまな概念の紹介や,人文地理学的な分析による社会問題の実態解明を通し,現代社会の諸課題を,各地域の事例から考える.特に,人文地理学の研究対象である「地域」および「人間活動」に着目し,地域の総合的な理解を目指す.

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は,
・人文地理学に関する基礎的なことがらを理解できる.【知識・理解】
・地域の事象に関心を持ち,地域と人間活動という観点から説明できる.【技能】
・現代社会の問題把握を通して,自らの地域との関わり方を考えられるようになる.【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
学生主体型授業(アクティブラーニング▽),地域,都市,人間活動,人文地理学

【科目の位置付け】
この授業では,現代社会のさまざまな問題について地理学の視点から考えること,特に各地域がそれぞれの課題にどのように対応してきたかを理解することで,地域の課題への解決策を考えていく基礎的な知識を修得するものである.

【授業計画】
・授業の方法
・第1回目はガイダンスとし,履修上の注意ほか,大学における「地理」の考え方を説明する.
・第2回目~第4回目は,人文地理学を学ぶ上で基礎となる概念,理論を説明する.
・第5回目~第9回目は,人文地理学の一つである,系統地理学の諸分野について,事例を基に説明する.
・第10回目~第14回目は,現代社会の様々なテーマについて,人文地理学の視点から概説する.
 
各回において,授業内容のアウトラインとなる配布資料を用意します.
 この資料への記載に加え,適宜自身でノートを取り,内容の理解に努めてください.
 なお,パワーポイント自体の配布予定はありません
・日程
第1回目. シラバスを用いたガイダンスと導入―高校までの「地理」と大学の「地理」の違いとは?―
第2回目. 「地域」とは何か?(個別地域と類型地域,等質地域と結節地域,形式地域と実質地域)
第3回目.「地域」はどのように見えているのか?(メンタルマップ,地域モデル)
第4回目. モデルを用いた地域の見方(チューネンモデル,バージェスモデル)
第5回目. 「産業の地理学① 工業」(ウェーバーの工業立地論,規模の経済)
第6回目. 「産業の地理学② 流通」(ロジスティクス,JIT,拠点立地)
第7回目. 「交通の地理学」(交通インパクト,アクセシビリティ)
第8回目. 「行政の地理学」(サービス供給,ごみ処理,NIMBY)
第9回目. 「環境の地理学」(環境問題の構築,住民の環境運動)
第10回目. 「現代社会と地理学①」―「獲る」から「賢く使う」へ―(高付加価値化,6次産業化)
第11回目. 「現代社会と地理学②」―誰がどこまで行うか?―(除雪,自助・共助・公助)
第12回目. 「現代社会と地理学③」―高齢化社会への対応―(少子高齢化,介護サービス)
第13回目. 「現代社会と地理学④」―「どこで買っても同じモノ」になるか?―(ファストフード,チェーンストア)
第14回目. 「現代社会と地理学⑤」―スマートシティと人間活動―(次世代自動車,スマートシティ)
第15回目.総括と期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
・パワーポイントで示される講義内容をノートに筆記し,内容の理解に努める.
 ※パワーポイントをカメラ等で撮影することは禁止します.
・配布資料の「キーワード」欄に,授業内で示されるキーワードを筆記し,授業後の復習に活用する.
・授業時間外学習へのアドバイス
各回の予定の()に記したキーワードについて,授業前後に調べてみてください.
また,授業で取り扱った事例について,自分の身近な地域,訪れたことのある地域と比較し,その特徴を考えてみてください.

【成績の評価】
・基準
1,人文地理学の基礎的な事柄について,適切に説明できること.
2,地域の課題について,どのような立場の人が,どのように対応してきたかを考えられること.
3,現代社会の課題について,自分の知っている地域の事例を挙げて説明ができること.
以上の3点を,合格の基準とします.
・方法
1,各回のリフレクションペーパーの評価 3点×14回=42点
2,期末試験 58点
1,2の合計点を用いて成績を評価します.

【テキスト・参考書】
参考書(全体):藤塚吉浩・高柳長直編 2016.『図説 日本の都市問題』古今書院.

この他,各回のテーマに対応する参考書や論文等を,配布資料の中で紹介します.

【その他】
・学生へのメッセージ
高校で地理を履修していた人,していなかった人共に,この講義の受講は可能です.これまで暮らしてきた地域,訪れたことのある地域を,新しい視点から考えられるような事例を紹介します.
・オフィス・アワー
授業時間外にて,質問に答える「オフィス・アワー」を設定します.連絡先や場所は初回授業時にお知らせします.会議や出張等で不在にすることもあるため,事前にメールでアポイントを取ってください.

g83112005-2019-G1-78623