人体の仕組みと病気(健康・スポーツ科学)
 Human body structure and disease (Health and Sports Sciences)
 担当教員:山崎 健太郎(YAMZAKI Kentaro)
 担当教員の所属:医学部医学科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
生命科学の研究は近年著しいスピードで進展しています。私達を取り巻く医学、医療の世界でも新たな知見が次々に生まれ、大きく変化しています。本講義では、本学医学部医学科の基礎研究部門で実際の研究に携わっている教員が、各々の専門分野の基本的事項と最近の話題をわかりやすく概説します。人の身体の仕組みや働きと、それらに関連した様々な病気について最新の知見を学ぶことを目的としています。

【授業の到達目標】
この講義の受講者は、
1)身体の仕組みや病気について、基礎から最新の話題について概要を説明することができる。
2)病気や健康について自ら情報を集め、考えることができる。

【授業概要(キーワード)】
免疫、感染症、循環器系、日内変動、中毒

【科目の位置付け】
この授業は高等学校で学んだ知識を基に、人体の構造や機能の異常に基づく傷病についての基礎理論を学ぶ。基礎理論は複雑な傷病を理解する上で不可欠であることを知ることが本授業の狙いである。

【授業計画】
・授業の方法
本年度は、感染症と生体防御機能、出血・止血の仕組み、心臓の機能と循環器疾患、さらに外因が生体に及ぼす影響、という私達にとって最も身近なテーマを取り上げ、1つのテーマを3回にわけて講義します。講義はパワーポイントなどを用いた電子プレゼンテーションを基本とします。
・日程
平成31年4月15日〜平成31年8月5日まで,毎週月曜日5・6校時に開講
「免疫の仕組みと病気」(担当:武田裕司)
人の身体には外敵が常に侵入して来ます。また身体の中では将来がんになるような異常な細胞も発生しています。でも私達には免疫系と呼ばれる生体防御機構があり、簡単に病気にはなりません。免疫系の細胞はどのようにして私達を守っているのか、そして免疫系が正しく働かないと、どのような病気が起こってくるのかを易しく解説します。
「日内変動」(担当:岡野聡)
生体時計の仕組みとその作用について解説する。
「心臓の働きとその異常」(担当:石井邦明)
人が生きて行く以上、心臓は絶え間なく全身に血液を送り続ける必要がある。心臓の拍動は規則正しく、その回数は1日10万回以上にも及ぶ。本講義では、心臓のしくみと働きについての基本的なことを解説する。また日本人の死因の第一位である循環器疾患(脳血管疾患も含む)について紹介する。
「中毒と病気」(担当:水野大)
中毒とは「毒にあた(中)る」という言葉で、毒物により引き起こされる生体の機能障害のことをいう。例えば食塩は生命活動に必要な物質であるが、過剰に摂取することで高血圧などの障害が出現するというように、どのような化学物質であっても中毒を引き起こす可能性がある。ここでは、私たちの周りに存在する様々な化学物質中毒の仕組みと、それによって引き起こされる病気について述べていきたい。
「微生物と感染症」(担当:本郷誠治)
様々な微生物が人に感染して病気(感染症)を引き起こす。では感染症の原因となる微生物にはどのような種類のものがあって、どのような特徴があるのか。どのような感染のメカニズムがあるのか。動物からヒトに伝播する微生物やヒト-ヒト間で伝播する微生物がある。これらのウイルスや細菌を皆とともに勉強しよう。

【学習の方法】
・受講のあり方
受講者は講義を聴講し、不明な点があれば遠慮しないで積極的に質問をして理解を深めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
・予習のあり方
生命科学についての一般的な事柄、あるいは高等学校で学習した内容について、あらためて整理しておくことが望まれます。
・復習のあり方
講義のノートや配付資料等を整理し、復習に努めてください。興味のある問題については、一般教養書や専門書等を参照し理解を深めてください。

【成績の評価】
・基準
講義内の小テスト、小論文、筆記試験、レポート提出などにより講師毎に評価します。
・方法
各講師20点満点で評価し、その合計点により最終評価を行います。合計100点満点のうち60点以上を合格とします。

【テキスト・参考書】
【参考書】
本郷誠治:ブラック微生物学(丸善)林英生、岩本愛吉 ほか監訳
浅尾裕信:好きになる免疫学(講談社サイエンティフィック)、休み時間の免疫学(講談社サイエンティフィック)

【その他】
・学生へのメッセージ
将来の進路や職業に関わらず、現代を生きる者として私達の身体の仕組みと病気を理解することは大切な教養の1つです。これらを理解することにより、人が健康に暮らすためにはどうすればよいのかを皆さんで考えてください。
・オフィス・アワー
特にオフィスアワーは設けていません。質問などがある場合は各教員へ直接連絡してください。教員が捕まらないときは、飯田キャンパス基礎校舎2階法医学講座(内線5271)まで照会下さい。

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